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【BiSHセントチヒロ・チッチ単独インタビュー】8年間回顧「BiSHは最高にラッキーなグループ。奇跡がかみ合って今がある」

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東京ドームで行われるBiSH解散ライブまであとわずか。初期メンバーとしてグループを先導してきたセントチヒロ・チッチは今、何を考えている?怒涛の8年間と、自身のソロ活動「CENT」などこれからについて。

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念願の東京ドーム公演で解散
夢と人生の覚悟がハチ合わせ

【BiSHセントチヒロ・チッチ単独インタビュー】8年間回顧「BiSHは最高にラッキーなグループ。奇跡がかみ合って今がある」

「あっというまの8年間、波瀾万丈でした。最初の頃は明日の予定も知らされず、毎日が恐怖の連続で(笑)。そんな日々から、次第にいくつもツアーを組んでもらえるようになって。気づけば、ひとつのツアーを終えるとすぐに次のツアーが発表されることが当たり前のようになり、それをずっと繰り返してきました。こんなにライブばかりしてきた女の子グループって他にあまりいないんじゃないかなと思います。それなのに、BiSHが6人になってから誰もやめていないのはすごいことだし、この6人じゃなきゃ誰かしらがやめてしまっていたかもしれません。

そんな大切なメンバーとともに、最後まで走り切ることを心に決めています。最近、メンバーそれぞれがみんなとの時間を大切にしているなって感じるんです。空き時間に一緒に出かけたり、休みの日に集まってみたり、誕生日の瞬間を一緒に迎えるためにパーティーを開いたり……。BiSHを通じて、さまざまな経験をさせてもらいました。東京ドームでのライブも、初期の頃から掲げてきた夢のひとつです。今まで私たちを愛してくれた人に感謝と愛の気持ちを伝えること、そして全員が心も体も健康にその日を迎えられることが私の今の願いです」

大きく変わった新しい私と
「好き」を広げる今までの私

【BiSHセントチヒロ・チッチ単独インタビュー】8年間回顧「BiSHは最高にラッキーなグループ。奇跡がかみ合って今がある」

シャツ(上) ¥68,200、ロングシャツ(下) ¥96,800、ショーツ( 上) ¥46,200、パンツ(下) ¥59,400/以上すべてPHINGERIN(PHINGERIN ☎phingerin.com)、シューズ AIR JORDAN4¥参考商品/cozyhousetokyo(cozyhousetokyo ☎ cozyhousetokyo.com)

「テレビ番組の制作者を志して進学を選んだ専門学生時代、『私って平凡な人間だな』という劣等感が強まりました。今思えば、昔から自分に自信がなくて、世間で当たり前とされていることを正しいことのように思い込み、周りから好かれるための行動や発言を優先するタイプでした。それでも面白いことが好きで、自分だけの人生を歩みたい気持ちが強かったから、自分を変えたくて飛び込んだ次の世界がBiSHです。BiSHのおかげで私は徐々に変わることができました。

セントチヒロ・チッチとして生きさせてくれる場所は居心地がよくて、キャプテン的ポジションとして立ち回るきっかけや経験を多く与えてくれたからこそ、私らしさが生まれたんだと思います。愛してくれる人のために、やりたいことや言いたいことを一生懸命伝えていこう。そう意識することで、ありのままのチッチが好きと言ってくれる人が増えて、結果的にたくさんの勇気をもらいました。

性格面もだいぶ素直になったような気がします。好きなものに対して正直にいていい、ということに気づいてから、どんどんと好きが広がっていきました。一番わかりやすいところだと、ファッション。ファンの方はご存じだと思いますが、以前の私服はパンツスタイルばかりでボーイッシュな服装を好む傾向にありました。それは女性的な要素を取り除くことで『強く見られたい』や『かっこいいと思われたい』という心の表れだったんだと思います。でも大人になるにつれて、女性らしさから感じる強さやかっこよさに惹かれるようになっていきました。今となってはスカートを好んで身につける機会も増えて、ゴツめのスニーカーと合わせてみたり。またあるときは、メンズの少しダボッとした服やスポーツMIXのスタイルに女性らしいヒールを合わせてみたり。

好きが広がることで、おしゃれを楽しむ幅も広がりました。といっても流行には乗り切れず、相変わらず古着は多めで、なるべく自分らしさを感じるものを中心に選ぶことに変わりはないんですけど(笑)。ゴツめのスニーカー好きも昔からで、女性が履いているのを見るとドキッとします。私の最近のお気に入りスニーカーは、キャメル色のナイキ(NIKE)のエア フォース1 MIDとマスタード色のノースウェーブ(Northwave)。ノースウェーブは大好きなPUFFYからの影響です。Tシャツにデニムにスニーカー、といった当時のスタイルに憧れて、手に入れたときは『これで私もPUFFYになれる!』と思ったくらい(笑)。ちなみに亜美さん派でした。

といった具合に、私は一度好きになったものをとことん好きでい続ける人間です。それと新しい『好き』が混ざり合って、さらに以前からの収集癖が重なって『好き』はいっこうに減ることなく、私のいろんな部屋はまるで街にあるバラエティショップか、子どものおもちゃ箱のような雑多感で溢れかえっています。でもそれが今の私らしさで、決してマイナスなことではない。そんなふうに考えています。ファッションだけじゃなく、音楽でも学生時代から好きな青春パンクは自分の中のヒーローとして今でも根底をずっと支えてくれています。

ただ、いつだってポジティブな方へ向かえたり、寄り添ってくれるような曲に助けられてきたからか、私の作る曲では“しっとり”とか“悲哀”といった暗めの感情が向いていないみたいで。もちろん私の性格に起因している部分も大きいはずです。でも、だからといって今がすべてだと決めつける必要はない。いろんな方向の曲に挑戦しながら、伝えたいことを大切にして成長を続けていけばいい。そう教えてくれたのがBiSHの8年間です」

(続きはsmart8月号をチェック!本記事では紹介していない衣装、写真も収録しています)

Profile/セントチヒロ・チッチ
楽器を持たないパンクバンドBiSHのメンバー。ストレートな歌唱力と繊細な表現力を巧みに使い分けるグループの支柱的存在。ライブ中のMCやラジオ番
組など、トークにおいても中心を担う。趣味はフィルムカメラとスパイスカレーの探求。2022年8月からCENTとしてソロ活動を本格始動。
セントチヒロ・チッチ公式Instagram:@cc_chittiii_bish
セントチヒロ・チッチ公式Twitter:@Chittiii_BiSH

『BiSH THE BEST』
6月28日(水)発売

【BiSHセントチヒロ・チッチ単独インタビュー】8年間回顧「BiSHは最高にラッキーなグループ。奇跡がかみ合って今がある」

発売元:avex trax

Photography_SHIMPO KIMURA 
Styling_YOSUKE SHOJI 
Hair & Make-up_YUKI TAKAHASH[I Lysa] 
Text_KEISUKE HONDA

この記事は2023年smart8月号に掲載した記事を再編集したもので、記載した情報もその時点のものです。

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本田圭佑

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