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TBSアナウンサーからPIVOTプロデューサーへ転職。国山ハセンが語る「新しいことへの挑戦は自分を高める原動力」

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国山ハセン,PIVOT,TBS,アナウンサー

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TBSアナウンサーとして報道からバラエティまで、さまざまな番組で活躍をしてきた国山ハセンさん。2022年末に9年間勤めたTBSを退職し、表舞台を主戦場としていた立場から裏方も務めるプロデューサーの道を歩み始めた。アナウンサーからプロデューサーへ、テレビからインターネットメディアへ――。その転職の歩みやきっかけ、現在のお仕事について話を聞いた。

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恐れることなく挑戦する
それが自分の成長力を高める

――約9年間、TBSアナウンサーとして活躍されていましたが、アナウンサーを目指したきっかけから教えてください。

国山ハセン(以下、国山):もともと母親がアナウンサーを目指していたこともあり、昔からテレビ局のアナウンサーの仕事に漠然とした憧れを抱いていました。小さい頃からずっとサッカーをやっていたり、大学で商学部経営学科に進学し、ビジネスやマーケティング、国際協力などを学んだのですが、そういう自分の好きなものすべてに関われるのはテレビ局だと思うようになり、なかでも自分の言葉で表現できるアナウンサーの仕事に魅力を感じたのがきっかけです。

――キー局のアナウンサー試験は狭き門だと思うのですが、学生時代に力を入れたことはありますか?

国山:引き出しを増やすことが重要だと思い、自分がやりたいことや興味のあることに取り組みましたね。大学で専攻していることをしっかりと学ぶのはもちろん、サークルでやっていたサッカーには週4日ほど取り組んだり、さまざまなアルバイトをしたり、長期休みを利用して海外に短期留学をしたり。そこで出会った人たちとのネットワークやコミュニティも大切にしていましたし、できるだけ視野を広げるようにあれこれと活動をしていました。

――アナウンサーのお仕事のやりがいはどんなところにありましたか?

国山:報道からバラエティまでさまざまな番組に携わっていたので、芸能界で活躍されてる方と共演したり、現場に取材に行ったりとたくさんのやりがいがありました。そのなかでも一番のやりがいは、「自分の目で見たものを、自分の言葉で伝えられる」ことでした。

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――さまざまな番組に携わる人気アナウンサーから、転職しようと思ったきっかけはなんだったのでしょう?

国山:アナウンサーとしてのやりがいを感じていたのですが、自分の意志で一から番組を作るというところには携われていないことに気づいたんです。と同時に、ある一定のキャリアを重ねてきて、「この先どうしたらさらに成長することができるだろう?」と葛藤や悩みを抱くようにもなりました。そんな時に(ビジネス映像メディアの)PIVOT(ピボット)の方と出会うチャンスがあり、お誘いをいただいたんです。「行くなら今しかない」と思い、覚悟を持って転職を決めました。

――それまでの立場や地位を捨てて、転職することへの不安はありませんでしたか?

国山:進路や今後の自分のキャリアで悩んでいた時期は、もちろん不安もあったので、いろいろな方に話を聞きにいきました。でも「自分のキャリアを高めていくためには何ができるだろう?」と考えると、「転職はマイナスになることはなくてプラスにしかならない」とポジティブに考えていたので不安はなくなりました。

実際に転職してみて感じるのは、自分の視野が以前よりも広がったこと。今までと異なる環境に身を置くと、それまでの知見や経験が生かせることもあれば、当然できないこともあります。でもそれを克服していくと、自分のモチベーションや成長力が高まると思うんです。僕はそのきっかけが転職でしたが、新しい環境を目指すことは、自分の成長力や視野を広げるための近道のような気がします。

――転職についてはどなたに相談したのですか?

国山:今回の転職を直接的に相談したわけではありませんが、ひろゆきさんやフワちゃんに相談しました。当時はまだ何も決まっていなかったんですが、ひろゆきさんからは、「肩書きみたいなものはあったほうがいいよ」とアドバイスをいただきました。この言葉がとても印象に残っていて、実際にPIVOTで働くことになった時に作り手になりたいという思いもあったので、プロデューサーという肩書きをいただきました。

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――PIVOTでは具体的にどんなお仕事をされているんですか?

国山:基本的には自分が担当している番組があるので、最初の企画段階から携わり、キャスティング、予算管理、制作チーム選定など、番組を一から作っています。それ以外にも出演者として携わっている番組もいくつかあり、そちらは会議から参加してどのように番組を盛り上げていくかといった部分から参加しています。

テレビ局にももちろん、制作に携わる職種があるのですが、アナウンサーだとなかなかそこには携わらせてもらえないという現状があります。僕の場合は、スタッフの方と一緒に考えて形にしてくことにやりがいや面白さを感じていたので、以前よりも深い部分で番組作りができいることに充実感を抱いています。

――転職先にPIVOTを選んだのは、会社の方にお会いした以外に何か理由がありますか?

国山:今はメディアも多様化していて、テレビを観ない、持っていないという若い方が増えました。TBS時代に『News23』を担当していた時に、どうしたら若い世代にもアプローチをできるのかを考えたことがあったのですが、その時に、若い方に支持されるインターネットメディアはどのように番組を作っているのだろうと疑問に思っていたんです。

その頃、まだPIVOTは今ほどの映像コンテンツを作っておらず、番組数も少なかったのですが、魅力的な出演者が出ていて、とても洗練されている印象がありました。実際にオフィスにお邪魔した際、大きな組織からスタートアップに転職してきた人たちで構成されていて、人数も20名程度だったんですが、この人数でプラットフォームを作りあげているんだと驚いて。もしかしたら自分も何か力になれるかもしれないと思い、PIVOTに入社しました。

――実際に働いてみて、PIVOTのメディアとしての魅力はどこにあると感じますか?

国山:僕たちは「行動メディア」と呼んでいるんですが、PIVOTの番組を観て、自分もこういう学びを得たいとか、こんな挑戦をしたいという視聴者の後押しをするメディアというところが魅力だと思います。

TBSアナウンサーからPIVOTプロデューサーへ転職。国山ハセンが語る「新しいことへの挑戦は自分を高める原動力」

――アナウンサー時代とは異なり、自分で動かなければコンテンツができないという立場になりましたが、企画はどういうところから着想を得て考えていますか?

国山:以前は、新聞や活字からインプットしていましたが、今はおもにツイッターなどのSNSを活用して、面白い人や話を聞いてみたい人を探しています。SNS以外にも、出会った方々に教えていただくこともあります。今まではテレビというメディアで幅広い視聴者に向けて発信をしていましたが、PIVOTはビジネスメディアでもあるので、作る番組や伝える相手がより明確になり、企画自体も明確になりました。自分で番組を作っているので、自分自身の感度も高めていくことも重要と感じています。

――番組作りをするうえで、目指すペルソナ(サービス・商品の典型的なユーザー像)はどの層なんですか?

国山:自分自身です。自分が大きな組織にいた時に抱えていた葛藤って、周りも同じように抱えている気がしたんですよね。実際、自分が作った番組を観て「すごく面白かったよ」と連絡をいただくことも多くて。だからこそ、10年くらいキャリアを重ねてきた30代前半くらいの男性=自分自身をターゲットに考えています。

――メディアを作るうえで、「やらない選択」も重要だと思うのですが、PIVOTでのそういったルールはありますか?

国山:PIVOTはプロフェッショナルが出ているメディアなので、その信頼感を大切にしていて、ブランディングやキャスティングの選定にはこだわっています。間口を広げて等身大で親しみやすくコンテンツ作りをしていますが、数字を持っているとか、有名なタレントさんだからという理由ではキャスティングを行なっていません。

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――新しい環境で新たなお仕事に挑戦をしている国山さんだからこそ、若い世代にアドバイスできることがあるとしたら?

国山:今の若い世代は僕の時代とはかなり異なり、どんどんいろんなことに挑戦している方も多いと思うんですが、自分を振り返ってみると、若い時って新しいことにチャレンジすることを「ちょっと怖いな」とか「リスクがあるんじゃないか」と不安に思ってしまうと思うんです。でも実際に一歩踏み出してみると全然リスクなんかなくて、「なんて小さなことで悩んでいたんだろう」と思えるんですよね。

なので、自分が興味のあることや、好きなこと、やってみたいことを見つけたら、恐れることなく行動してみることが大切なんじゃないかなと。「若いからこそ可能性は無限じゃん!」って思います。

――今後PIVOTで挑戦してみたいことはありますか?

国山:今動いている番組は対談形式のコンテンツが多いのですが、先日、物理学を研究されている北川拓也さんに取材をしたところかなり反響をいただいて、そこからもっと番組を広げていこうということになりました。全然詳しくない分野だったんですが、自分で企画して挑戦してみたら結果が出たんですよね。そういう意味では、新しいことにもどんどん挑戦ができています。

それとは別で、自分の強みは「取材」だと思うので、例えば海外のスタートアップの最前線を取材したり、ドキュメンタリーではないですが自分が密着するような取材企画をコンテンツ化してみたいです。既存のメディアではやっていないような、より丁寧で濃密な密着取材で伝えることができれば、日本の若い世代の刺激にもなるんじゃないかと思っています。

――国山さんの作る番組を今後も楽しみにしています。最後に『smart Web』の読者へのメッセージをお願いします。

国山:僕も高校生の頃、ストリートファッションに興味があり『smart』を愛読していました。ファッションは自己表現の一つだと思うので、自分の憧れのファッションや、好みのスタイル、憧れの人を見つけるのも大切なことだと思います。結果的にそこで繋がった仲間やコミュニティが何かの仕事に繋がることもあると思うので、「自分の好き」を大切にしてください!

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Profile/国山ハセン(くにやまはせん)
ビジネス映像メディア「PIVOT」プロデューサー
1991年東京都出身。元TBSアナウンサー。TBS時代は『News23』キャスター『アッコにおまかせ!』『Nスタ』『SUPER SOCCER』などの人気番組を担当。2023年1月よりPIVOTにキャリアピボット。動画プロデューサーとして活動する傍らタレントとしても活動している。
国山ハセンTwitter:@hasenkuniyama
国山ハセンInstagram:@hasen_kuniyama
▼PIVOTのユーチューブチャンネル
https://youtube.com/@pivot8935

撮影=大村聡志
インタビュー・文=相馬香織

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この記事を書いた人

映画配給会社を経て、出版社で企画立ち上げ、海外取材などを数々こなし編集長に就任。現在はベトナム・ハノイを拠点に、日本、韓国を飛び回りフリーランスの編集者として活動中。趣味はアクセサリー製作。インスタではベトナム情報をメインに発信中。

Instagram:@_kaori.soma

Website:https://smartmag.jp/

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