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    【編集部のアニメレポ_Vol.1】スタジオポノックの最新作が衝撃的な件

    みなさまこんにちは、smart編集部の大倉です。

    今回は、8月24日(金)から全国公開予定のスタジオポノックの短編アニメーション映画

    『ちいさな英雄-カニとタマゴと透明人間-』をご紹介したいと思います!

    スタジオポノックとは?

    かの有名なスタジオジブリを2014年末に退社した西村義明プロデューサーが、

    「子どもから大人まで楽しめるアニメーション映画を作っていこう」と立ち上げたアニメーションスタジオ、スタジオポノック

    「ポノック」とはクロアチア語で「深夜0時」を意味し、「新たな一日のはじまり」という意味を込めたそう。

    スタジオを立ち上げてから約2年半で完成させた『メアリと魔女の花』は、興行収入32.9億円、2017年度の邦画ランキングでは6位と、スタジオ初の長編アニメーションは好調な駆け出しとなりました。

    (もちろん私も観ました!)

    そんな、元スタジオジブリの天才・鬼才クリエイターを集めてスタジオポノックが今年挑戦したのが、新レーベル「ポノック短編劇場」なのです!

    「ちいさな英雄」をテーマに作られた珠玉の短編アニメーション

    『ちいさな英雄-カニとタマゴと透明人間-』では、監督3名がそれぞれ魂を込めて制作した15分前後のアニメーション3本を、一度に楽しむことができます。

    なんという贅沢っ!!!

    ここでは各作品の紹介と、ネタバレにならない程度に感想をお届けします。

    No.1●『メアリと魔女の花』の米林宏昌監督による、カニの兄弟の大冒険ファンタジー『カニーニとカニーノ』

    (あらすじ)

    虹色のトンボが舞う川底に、サワガニの家族が暮らしていた。父トトと兄カニーニ、そして、甘えん坊の弟カニーノ。巨大な魚たちから隠れてひっそりと暮らす3匹を、ある日、大嵐が襲う。間一髪でトトに助けられたカニーノ。しかし、巨大な泡の塊は、トトを飲み込み、濁流の彼方へ連れ去ってしまう。カニーニとカニーノは、父を探して生まれて初めての旅に出るが――。
    人間のすぐ傍らにある世界で、家族を求めた、ちいさな兄弟の大冒険が今、はじまる。

    (感想)

    う、美しい・・・!

    始まった瞬間、川のせせらぎとともに爽やかな風が吹いたように感じるほど、一瞬にして川辺の世界に没入できました。

    手描きの美しい背景と最新のCG技術、そして水の中にいるようなリアルな音。ブクブク、ゴウゴウと、室内にいることを忘れさせるような水中の世界が広がります。

    まるで体験型のアトラクションのようでした!

    そして、私が恐怖を覚えたのがこちらのシーン。

    すっかりカニーニとカニーノに感情移入しているので、もう、ほんとに怖すぎて・・・。魚が怪物に見えました・・・。

    もちろん、最後は思わず笑顔になるような明るいお話です!

    木村文乃さん、鈴木梨央さんがカニの兄弟を演じているのですが、これがまた可愛くて・・・。

    カニ語に注目してぜひ観て欲しいです!

    ちなみに・・・可愛すぎるあまり、妹だと勘違いしていたのは秘密です(笑)

     

    No.2●巨匠、高畑勲監督の右腕として活躍した鬼才・百瀬義行監督による、母と少年の愛と感動の人間ドラマ『サムライエッグ』

    (あらすじ)

    東京・府中市に暮らす少年シュンは、野球好きで元気な小学生。ダンススクールで働く母は、そんなシュンを温かく見守りながら育てている。しかし、シュンにはひとつだけ友だちと違うことがあった。彼は生まれた時から極度のたまごアレルギーに悩まされていた。ある日、野球の練習から帰ったシュンは、母の留守中に誤ってたまご入りのアイスクリームを口にしてしまう。突如、シュンの身体に異変が起きる。そのとき、シュンがとった行動とは――。実話をもとに描く母と少年の愛と感動の人間ドラマ。

    (感想)

    いや、これは泣きます。ハンカチ持っててよかった~(涙)

    ドキュメンタリーを観ているような感覚で、最初から最後まで食い入るように集中して観てしまいました。

    私もスイカのアレルギーがあるので、余計に共感できて・・・。

    シュン君のたまごアレルギーは命に関わるほど重く、アレルギーのせいでやりたいことが制限される辛さ、悲しさが伝わってきました。

    シュン君のために給食代わりのお弁当を作ったり、合宿に行けるように先生と交渉したりする母の愛にも心を打たれて、うるっと泣けてきたり・・・。

    このバスのシーンは、しんみりと悲しかったです・・・。

    でも、シュン君はアレルギーのことでネガティブになったりしない、むしろ学校の体力テストで新記録を出すほど運動が得意で明るい元気な小学生。(しかも女子にモテている・・・!?)

    そんなシュン君を観ていると、私も頑張ろう!という気持ちになります。

    最後にたまごと決着をつけるシュン君、かっこよかったです。

    もう一度観たくなる感動作ですよ・・・!

    ママ役の尾野真千子さんの岸和田弁にもご注目!

     

    No.3●宮崎駿監督作品の中心を担った天才アニメーター・山下明彦監督による、見えない男の孤独な闘いをスペクタクルアクションで魅せる『透明人間』

    (あらすじ)

    古ぼけたアパートに暮らす、ひとりの青年。ワイシャツを着て、歯をみがき、めがねをかけて、いつものとおりに家を出る。しかし、何かが違った。彼は、透明人間だった!だれも彼のことが見えない。コンビニの自動ドアも、ATMすら彼を認識しない。透明人間はついに重力からも見放され、次第に空高く舞い上がっていく。このままだと消えてしまう、いのちも――。都会の隅に生きる見えない男のたった一人の闘いを、スペクタクルアクションで魅せる究極の野心作。

    (感想)

    先ほどの2作品とは違って、いい意味で裏切られました!

    どんよりと重たい曇り空から始まる、ぐっと大人な作品です。

    中田ヤスタカ氏によるEDM的音楽の重厚感が、絵と見事にマッチしていました。

    それはさておき・・・。

    「透明人間」を描くって、一体どういうこと!? そんなこと出来るんですかスタジオポノックさん・・・!?!?

    描かれていないのに、描かれていて、見えないのに、見えている。

    透明人間を演じたオダギリジョーさんが、ほぼ息使いと吐息であらゆる心情を表現するのも見どころのひとつです!(台詞の少なさはまるで顔◯シです笑)

    終盤の疾走感溢れるダイナミックなアクションシーンもドキドキして、ギュッと手を握りながら観てました(笑)

    観終わったあとに誰かに話したくなるような、観る人によって解釈が違ってくる作品なのでは?と思っています。

    私も早く誰かとこの感想を話し合いたいです・・・!

    エンディングテーマは木村カエラさんが担当!

    それぞれの監督の特長が色濃く出た3作品を観終わると、頭がキャパオーバーしたのか体がどっと疲れました(笑)。

    心地よい疲労感とともにイスに体を沈めていると、疲れを吹き飛ばすような木村カエラさんの「ちいさな英雄」が流れ始め、それからずっと頭の中にその曲が流れ続けています。

    なんだこの中毒性は!(笑)

    「あーそぼあそぼー♪」とポップで可愛い曲なので、こちらも要チェックです!

    おわりに

    今回は、8月24日(金)から全国公開予定のスタジオポノックの短編アニメーション映画

    『ちいさな英雄-カニとタマゴと透明人間-』をご紹介しましたが、いかがでしたか?

    それぞれの物語のなかに、監督が現代で見つけた「ちいさな英雄」が描かれています。

    それは、もしかすると普段は見落としてしまいがちな、ほんの小さな勇気や行動を持つ「英雄」なのかもしれません。

    約15分という短い物語のなかに生きる「ちいさな英雄」を、あなたもぜひ劇場で見つけてみてください!!!

    公式サイト:http://www.ponoc.jp/eiyu/

    ポノック短編劇場『ちいさな英雄-カニとタマゴと透明人間-』

    8月24日(金)全国ロードショー

    配給:東宝

    声の出演:「カニーニとカニーノ」木村文乃、鈴木梨央
           「サムライエッグ」尾野真千子、篠原湊大、坂口健太郎
           「透明人間」オダギリジョー、田中泯

    監督:「カニーニとカニーノ」米林宏昌
         「サムライエッグ」百瀬義行
         「透明人間」山下明彦

    主題歌:木村カエラ「ちいさな英雄」

    ©2018 STUDIO PONOC

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    2018.08

    10

    14:00

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