独身アラサー男子の今から始める妊活準備。まずは精子の健康状態を調べてみた
執筆者: ライター/佐藤隼秀
「ねえ、そろそろ良い感じの相手いたりしないの?」
今年の正月に帰省した際、ふと母が口にした一言に思わず憂鬱(ゆううつ)になった。還暦間近の両親はそろそろ孫の顔が見たいと遠回しに伝えているようだ……。
目次
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男性の平均初婚年齢は30歳前後
筆者は1995年生まれの今年28歳、社会人になって6年目を迎えた代になる。
大学生だった頃の記憶もおぼろげになるなか、たまに聞く同級生や先輩の話題には、「そういえばアイツ結婚したんだよな」と、結婚や第一子を授かる報告が多々混じるようになった。自分が夫や父になる姿が日に日に他人事とは思えなくなってきた頃、耳に入ってきたのが冒頭の母のぼやきだ。
「独身を謳歌(おうか)すればいい」と開き直ることは簡単だが、母の一言が頭を離れないのも事実。そこで試しに、男性の初婚年齢の全国平均を調べてみると、2021年時点で30.4歳だと分かった(厚生労働省のサイトによる)。
あと2~3年後に自分が初婚のボーダーを超えると思うと、恋人すらいない自分にとっては気が重く、しかもその先には出産も視野に入れないといけない。やはり今からなにかしら準備をしていかないといけないのでは……と妙な危機感が募るものの、急にパートナーができるわけでもなければ、その先に結婚や妊娠の合意が得られるまでに時間もかかる。
「妊活」は女性だけのものではない
別になんの意味もないと思いつつ気休めとして、とりあえずネットで「結婚 男性 手続き」「男性 出産 貯金」「子作り 準備」など、検索ワードを組み合わせて調べてみる。すると男性にも妊娠するための準備、いわゆる妊活が必要だと知る。てっきり妊活は、女性が妊娠に向けて行うものだと考えていたがどうやら違うようだ。
ざっくり話してしまえば、男性の妊活は大きく2つある。パートナーと将来の方向性を話し合う精神的な側面と、着床するために健康な精子を育むための肉体的な準備だ。前者はパートナーありきの問題なのでどうしようもないが、後者は今からでも改善することはできそうだ。
精子は健康状態を把握できるバロメーター
そこで男性の妊活について調べてみると、精子の質は生活習慣によって大きく変化することが分かった。飲酒、喫煙、寝不足、偏った食生活、仕事のストレスなど、不健康な生活と比例するように、精子の質も悪くなるらしい。つまり精子が健康かどうかが、その時の健康状態を測るバロメーターにもなるわけだ。
今では男性が自身の健康状態に気を使うことや、自身の健康課題をテクノロジーでケアすることを「メンテック(「Men=男性」と「Technology=テクノロジー」を掛け合わせた造語)」と表現するそうだ。
フリーライターという仕事柄、日頃から締め切りに追われ生活リズムは昼夜逆転、多忙なストレスによる過剰な飲酒に喫煙、食事はチェーン店などの外食メイン……。目を背けたくなる生活習慣だからこそ、自分の健康状態も気になる。
TENGAヘルスケアから1500円で買える精子観察キット
結婚の焦りから始まり、自分の健康状態について改善したくなった筆者は、まず自分の精子の状態を知りたいと思うようになった。しかし、病院での精子検査の相場は大体5000~15000円。しかも医師や看護師に自分の精子を見られると考えると気後れするのも事実。
そこで見つけたのが、自宅で簡易的にできる精子観察キット。その中でも手頃な1500円(税抜き)で入手できるのが、TENGAヘルスケアから展開されている「TENGA MEN’S LOUPE(以下メンズルーペ)」だ。
あのTENGAといえば、赤地に銀のストライプが入ったグッズを思い浮かべる男性読者も多いはずだが、TENGAヘルスケアはその関連企業となる。早漏・遅漏改善をサポートするトレーニングカップや、男性の妊活をサポートするサプリなどを展開している。
メンズルーペは安価なうえ医療用ではないものの、Amazonのレビュー数は3400を超え、平均星4.1の評価がついている。そこそこ信頼できそうなので、早速、購入して使ってみた。
最大550倍に精子を拡大
届いたメンズルーペがこちらだ。
付属品や精子の採取方法、観察のプロセスなどは、説明書に記載されているので本記事では割愛させてもらう。
メンズルーペの仕組みをざっくり説明すると、小学校での理科の実験のように、採取した精子を顕微鏡で観察するような感覚だ。計量カップで採取した精子を数滴取り出して、プレートのような部分に乗せる。そのあと観察キットに同封されているルーペで、スマホのカメラを通して精子を最大550倍に拡大して観察できる。
実際に使ってみると、計量カップが小さくて難しかったり、観察する際にピントを合わせるのに手間取ったりしたものの、基本的にスムーズに精子を観る事ができた。
それがこちらの写真になる。ちなみにこの時は、最後に射精してから1日空け、前日はロングの缶チューハイを3缶飲んでそこそこ二日酔いの状態だった。
静止画なので伝わりづらいかもしれないが、動画ではおたまじゃくしのような無数の精子がウヨウヨと動いている。自分の精子が見れた感動もあるのだが、正直気持ち悪さも少しあった……。
動いていない精子が圧倒的に……
一通り自分の精子を観察したところで、肝心の精子の状態をチェックすることに。メンズルーペはアプリとも連動しており、上記の精子の拡大画像を読み込ませることで、精子の数、濃度、運動率を解析できる。それらの基準から精子がどれほど健康かを参考にできるわけだ。
再度、精子が拡大された写真を見て欲しいのだが、下のほうに「運動している精子」「運動していない精子」という文言があるはずだ。
もうお分かりの読者も多いと思うが、メンズルーペは精子が動いているかどうかも判断してくれる。もちろん運動している精子が健康的となるが、パッと見筆者は運動していない精子が圧倒的に多い。これは雲行きが怪しすぎる……。
恐る恐るアプリに読み込んだ結果がこちら。
メンズルーペの結果によれば、精子数が2615万匹、濃度が3126万匹、運動率が21.8%という結果に(すべて1ミリリットルあたりで換算した数値となる)。ちなみに精液量は3.5ミリリットルだった。
これらの数値は果たして正常なのか――。そこで今回は、福元メンズヘルスクリニックの福元先生に結果を分析してもらった。
※福元メンズヘルスクリニックHPはこちら
精子はかなりデリケート
――早速なのですが、僕の結果はどうですか?
福元先生「正直、20代にしては薄いです。同世代ならもっと精子がうじゃうじゃいるはずなんですよね」
――なるほど……。ちなみにどれぐらい深刻なのでしょうか?
福元先生「『あくまでも大体これぐらいあれば女性が妊娠しやすい』という基準で話すと、1ミリリットルあたり、精子の数が大体2000万匹、濃度が1600万匹、運動率は40%、精液量は3ミリリットルです。あくまでも全世代の平均なので、20代ならもう少し高くてもいいという感じですね」
――ちなみに運動率が悪いのはなぜですか?
福元先生「それはもう完全に不摂生です(笑)。精子は細胞の状態から完成形になるまで約70日かかるんです。なので70日ぐらい前からの体調の積み重なりが、精子の結果に表れてくるんですよ。
特に顕著に現れるのが運動率です。簡単に言ってしまうと、精子の運動率が悪いのは内臓などの状態が悪く、精子に元気がない状態と言えます。精子の数がどれぐらい作られるかは先天的な体質で決まりますが、どれほど精子が健康かはその時の健康状態に左右される部分が大きい。食生活や生活リズムを改善すると、運動率も如実に上がってきますから」
――精子の運動率は、日によってどれほど変わるものなのですか?
福元先生「精子ってかなりデリケートなので、日によって結果もだいぶ変わってきます。例えば、深酒した翌日に測ると、運動率が約20%近くまで減少してしまうケースもあります。むちゃくちゃ変わるので、その日の健康状態が反映されやすいんですよ」
――ということは、そのぶん改善の余地も大きいと?
福元先生「はい、改善できる余地は大きいです。ただ先ほども言ったように、精子って完成形になるのに約70日かかるんですよ。そのぶん70日ほどは生活習慣に気をつけないと、安定的に数字が向上しないのかなと思います」
改善策は……
ここまで福元先生の解説を聞いてみると、精子はとても繊細で、生成されるまでに時間がかかるとわかった。20代としては微妙な結果が出てしまった筆者だが、今後どのように改善していけばいいのか。次回は、福元先生に聞いたアドバイスを紹介する。
「TENGA MEN’S LOUPE」が気になった方はTENGAヘルスケアHPをチェック!
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この記事を書いた人
1995年生まれ。大学卒業後、競馬関係の編集部に勤め、その後2021年頃から本格的にフリーライターに。Webメディアを中心に、マネー、芸能、ノンフィクションなどを執筆。趣味は飲み歩き、競馬、読書。好きなお酒はキンミヤのソーダ割り。
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