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【Reol】待望の初シングル「COLORED DISC」をリリース。込められた“新たな自分らしさ”とツアーへの思い

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マルチクリエイター、シンガーソングライターとして世界中から支持を受け続けているReol(レヲル)。2018年にソロ活動をスタートさせ、現在のYou Tube登録者数は153万人を超えており(11月18日現在)、各種SNSでも圧倒的なフォロワー数を誇る。ネット時代を代表するアーティストでもあり、無条件に気持ちを上げてくれる楽曲群が多くの人を魅了している。

そんなReolがキャリア史上初となるシングル「COLORED DISC」を11月16日にリリースした。また、来年の1月からは新たなツアー『新式浪漫 Neo Nostalgia』を開催予定。この作品を足がかりに、2023年はどのような活動を展開していくのか。今の心境についてインタビューを敢行した。

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1stシングルは次のフルアルバムへ
向けた布石となるシングル

――11月16日に「COLORED DISC」が発売となりましたが、シングルのリリースはキャリア史上初なのだとか。このタイミングで初めてシングルをリリースするというのは何か理由があったんですか?

Reol 私の中では自然な流れだったんです。2021年12月に2ndミニアルバム『第六感』をリリースして、そこからいきなりフルアルバムを出すのではなく、小さな音源集を作りたかったんです。それで3曲入りのシングルをリリースすることにしました。

――Reolさんの中にある制作的なルーティンとして、シングルという形態が適していたということですか?

Reol そうですね。「COLORED DISC」の初回限定盤には、今年開催したワンマン全国ツアー『激情アラート』の最終公演を収めた映像作品も付属するんですが、この形は2019年にリリースした1st EP『文明EP』のときと同じなんです。状況も似ていて、2018年に1stフルアルバム『事実上』をリリースした後の作品で、2ndフルアルバムに向けた布石でもあったんですよ。自分にとっては、この次の作品に取り掛かるために必要なものでした。

――今、おっしゃられたように初回限定盤には映像作品や40ページに渡るフォトブックも付属するのだとか。非常に豪華なパッケージになっていますね。

Reol はい。なぜ小さい音源集に映像作品が付随(ふずい)しているのかと言うと、『文明EP』のときもそうだったんですが、これからライブに来てくれるお客さんに対して、前回のライブを予習復習していただいて、次のツアー『新式浪漫 Neo Nostalgia』を楽しんでいただきたいという気持ちがあるからです。

――では、シングル「COLORED DISC」も来年のツアーに向けたものであると同時に、3rdフルアルバムへの布石的作品だと考えられますね。まず、タイトルの意味を教えていただけますか?

Reol このシングルは1つのテーマに基づいたコンセプチュアルな作品ではなく、3曲とも個性豊かで、統一性を持たせていないんですが、そういう多様性があって賑(にぎ)やかな感じを、色とりどりを意味する“COLORED”という言葉で形容したかったんです。シングルやEPの楽曲は、まだ色が固まる前にできた曲たちであって、ある意味では実験的要素もあるんですよね。Reolのこういう曲はいかがでしょう? という提案でもあります。

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新たなReolの世界観を提示する
実験的3曲

――確かに3曲とも曲調が異なっていて、非常に濃密なシングルになっていると感じます。1曲目「SCORPION」ですが、アップテンポなトラックに攻撃的な歌詞が特徴的です。プロデュースにMasayoshi Iimoriさんを迎えられていますが、どういう楽曲にしようと考えられましたか?

Reol Masayoshiとは、2ndフルアルバム『金字塔』に収録された「insider」から楽曲制作を行なっていて、普段からコミュニケーションを取っているんですよね。もう長い付き合いになるので、私とMasayoshiだけの共通言語となる音楽がいくつかあって、次第に2人の共通認識となり、これをReolというフィールドでやったらどうなるだろう? と考えることも多いんです。そういった挑戦が「SCORPION」で表現されていますね。「COLORED DISC」収録曲の中では、もっともReol節を踏襲(とうしゅう)している曲だと思います。

――「SCORPION」は、今年の11月より開催される『Riot Games ONE』のテーマソングでもありますが、まさにゲームの世界が盛り上がるような曲調になっていますね。そこは意識しましたか?

Reol もちろんです。私がRiot Games社がリリースしている『VALORANT』などのFPSゲーム(シューティングゲームの1種)に興味があったのでオファーをお受けして、その世界観にマッチするような楽曲を作ってみようと考えて制作したのが「SCORPION」なんです。タイトルのスコーピオンも“スナイパー”を意味する言葉ですし、リリックの内容もゲームから連想される言葉を選んでいます。歌乗せに関してもFPSゲームにあるような、敵をリズミカルにバンバンってキルしていく感じをイメージしながら行いました。自分の中にあるリズムミュージックの要素をFPSゲームに投影(とうえい)させた感覚ですね。FPSゲームをやっている人はキル集を作るのが好きじゃないですか。だから、そもそも私の音楽と親和性が高いジャンルだと思いますし、楽しくスムーズに制作することができましたね。

――「SCORPION」のMV(リリックビデオ)では『VALORANT』ともコラボされていますよね?

Reol そうです。『VALORANT』に登場する女の子キャラクターなどが出てきますね。歌詞を書いているときに“弾丸”にインスパイアされた部分もあったので、自分が考えていた世界観とマッチするだろうと思ってコラボレーションさせていただきました。

――続いて2曲目「secret trip」では一転してノスタルジックでミドルテンポなトラックに惹かれます。今までのReolさんにはない楽曲だと思うのですが、いかがでしょう?

Reol 確かに、これまでのReolがやらなそうな楽曲だと思います。2019年終盤頃から、こういうレトロなサウンドに回帰する流れがあって、有名どころで言うと、ザ・ウィークエンドの「Blinding Lights」を契機にムーブメントが起こっているのを肌で感じていたんです。普段、あまり流行りの音楽をやりたいと思うことはないんですけど、これは自分の音楽とも相性が良さそうですし、ずっとやってみたかったんですよね。それで、LDN NOISEにお願いしてトラックを作ってもらって形にしていきました。LDN NOISEはずっとお願いしたいと思っていた大好きなアーティストなので、このタイミングで良い化学反応があればと思ってお声がけしたんです。

――リリックについては、どういう内容だと言えますか?

Reol 今年の上半期のあいだ、音楽を始めて、それを楽しんでいた頃の記憶に思いを馳(は)せる機会が多かったんですよね。こうして年齢を重ねて大人になった今、思春期の頃の自分を許してあげたい気持ちになったというか、今であれば、あの頃の自分の味方になってあげられるな、というハイヤーセルフ的なことを歌っている感覚があります。自分の中にいる本当に自分に対して問いかけている曲でもあり、過去の自分と一緒に逃げる歌ですね。

――それで、どこか逃避行的な世界観が描かれているんですね?

Reol 頑張るだけが解決策じゃないと思うときがあるんですよね。昔は自分を叱咤(しった)するような言い回しの歌詞も書いていましたけど、そればかりだと心身ともに疲れてしまうじゃないですか。1回休むことでまた走れるようになったりだとか、そういうことは音楽活動に限らず誰にでも言えることだと思うんですよ。どんなに好きなことに携わっていても、一体自分は何をやっているんだろうと考えることはあると思うし、そういう波があるということは好きなことに対して誠実に向き合っているということだと思うので、そんな思いをこの曲で歌っておきたかったんです。

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来年1月からのツアー
『新式浪漫 Neo Nostalgia』では
シネマティックな演出を

――3曲目「感情が群れを成すパレイド」は、オープニング的でもあり、同時にエピローグ的な雰囲気も感じましたが、いかがでしょう?

Reol この楽曲に関してはタイトルがすべてですね。曲のステートメント的な言葉を断片的に走り書きしていたときに、もっとも明確に曲のことを示しているのが「感情が群れを成すパレイド」というワードでした。こうして生きていて、時代や感情が目まぐるしく移り変わる様であったりとか、物事が自分の意図していないところで終わってしまうことを音で表現したかったんです。何曲ものトラックが1曲に収まっているような構成にしているのは、そういう理由からですね。

――冒頭にもありましたが、来年の1月からはReolさん史上最大キャパの全国ツアー『新式浪漫 Neo Nostalgia』が控えています。どんなツアーにしたいと考えていますか?

Reol 現時点では、上映会みたいなライブにしたいと思っています。ライブという言葉から連想されるものよりは、コンセプチュアルな感じであったり、1本の映画を観たような感覚になれる公演が作れたらいいなと考えていますね。

――ツアータイトルも意味深に感じます。ノスタルジアということで、何か過去を振り返るような内容になりそうですか?

Reol シングル「COLORED DISC」の3曲もそうなんですけど、年齢を重ねることで昔を振り返るということができるようになってきたんですが、このツアーで私の人生を振り返りたいというわけではなく、誰しも子供時代はあったわけで、みんなの共通認識としてある回想シーンをライブで表現できたら素敵だなと思っているんです。単純に懐古主義に走りたいわけではないので、ノスタルジアにもニューを意味するネオを繋げ、浪漫にも新式という言葉をくっつけているんですよ。新しい過去であり浪漫という、過去と未来を示す言葉が繋がって、どこかちぐはぐな意味合いになるので、そこがいいなと思っていますね。どんな内容になるか是非楽しみにしていただきたいと思います。

Information①
1stシングル「COLORED DISC」
11月16日リリース

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【初回生産限定盤A】CD+Blu-ray+Photobook¥6,050 、【初回生産限定盤B】CD+DVD+Photobook¥5,500

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【通常盤】CD Only¥1,320

Information②
Reol Oneman Live 2023 
「新式浪漫 Neo Nostalgia」
年明け1月からスタート

2023 年 1 月 26 日(木) 愛知・Zepp Nagoya
2023 年 1 月 29 日(日) 東京・TOKYO DOME CITY HALL
2023 年 2 月 5 日(日) 宮城・仙台 PIT v v
2023 年 2 月 11 日(土) 神奈川・KT Zepp Yokohama
2023 年 2 月 18 日(土) 福岡・Zepp Fukuoka
2023 年 2 月 23 日(木) 広島・広島クラブクアトロ
2023 年 2 月 25 日(木・祝) 大阪・Zepp Osaka Bayside
2023 年 2 月 26 日(日) 香川・高松 festhalle
2023 年 3 月 5 日(日) 長野・まつもと市民芸術館 ※凱旋公演!

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Profile/Reol
レヲル●1993年11月9日生まれ。シンガーソングライターであり、自身のアーティスト活動全般をセルフ・プロデュースするマルチ・クリエイター。2018年、“Reol”名義で活動を開始。 1stフルアルバム『事実上』をリリース後、アジアを含め全9都市を回る大規模なツアーを開催し大成功を収め、翌年リリースした『文明EP』はiTunes総合チャート1位・オリコン初登場7位と自身最高位を記録した。2020年1月には「App Store」のCMに起用された楽曲「HYPE MODE」が収録された最新アルバム『金字塔』を発売し、同年7月YouTubeがグローバル規模で実施するキャンペーン “Artist On The Rise” に日本人女性アーティストとして初選出。7月29日にボートレースCMソング「第六感」を配信リリース。8月16日には、初の無観客ライヴ「Reol Japan Tour 2020 ハーメルンの大号令 -接続編-」をYouTubeで生配信。 現在、YouTube登録者数は153万人を突破。総再生回数は8億回を超え、国内外から人気を集めている。
Reol公式HP
Reol公式Twitter
Reol公式Instagram
Reol公式YouTube

この記事を書いた人

田島 諒

田島 諒

DMRT inc.所属。コンテンツディレクター。数々のインディペンデントカルチャーメディアを経て2016年に独立。ロック全般をベースとする音楽コンテンツの制作、メディアディレクション、地域振興系メディアのエディットなどを行う。日夜チャリで渋谷を爆走する漆黒のCITY BOYとして、365日スコッチを手放さない。

Instagram:@ryotajima_dmrt

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