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ロレックス専門店クォーク店長が語る「ロレックスを手に入れるための傾向と対策」

いつかは……と憧れの存在、それがロレックスだ。昨今の腕時計の人気は、機械式時計だけでなくスマートウォッチにも分散しているが、それでもロレックスだけは別格。そんな腕時計を超えた唯一無二の存在・ロレックスが今バブルとも呼べるほど激熱だ。世界的な価格高騰のロレックスを手に入れるための傾向と対策を、ロレックス専門店クォーク上野本店の矢島店長が分析してくれた。

※この記事は2022年smart10月号に掲載中の記事を再編集したもので、記載した情報もその時点のものです。

教えてくれたのは……
ロレックス専門店クォーク
上野本店 店長
矢島貴之さん

ロレックス専門店クォーク店長が語る「ロレックスを手に入れるための傾向と対策」

時計業界に入り16年、ロレックスの動向には日夜目を光らせている。自身が所有するロレックスは4本で、いちばん好きなロレックスはヨットマスター。

ロレックス専門店クォーク店長が語る「ロレックスを手に入れるための傾向と対策」

今、ロレックスに何が起きているのか?
1.世界的な価格高騰

――今回の特集タイトルは「いつか買いたいロレックス」とはうたっていますが、現状ロレックスは価格高騰と人気モデルの品不足とが重なって大変なことになってしまい、なかなか手が届かなくなってしまったイメージですね。

矢島店長(以下:矢島) はい、そしてロレックスの価格高騰は、日本だけでなく世界的な動きです。昨年末くらいからじわじわと値上がりの波が来て、急激に上がったのは今年に入ってからでした。もちろんその前の2014年あたりからもゆるやかに上がり出してはいたのですが。

――その要因としては何があるのでしょうか。

矢島 需要と供給のバランスです。メディアで盛んに取り上げられてロレックスは有名になってしまいました。それにもかかわらずコロナの影響で生産量が追い付いてないのでは、と思います。生産量が少ない上に欲しいという方がどんどん増えたので。

――この価格高騰に新型コロナウイルスは関係しているんですね。

矢島 関係していますね。供給に関しては、おそらく感染者が増えて生産ラインに影響が出たのだと思います。また別の要素としては、コロナ禍で海外旅行や外出が制限され、市場にお金が余ってしまったというのもあると思います。これはフェラーリなどの高級車が、コロナ禍になって、より売れたという現象と通ずるものがあると思います。

今、ロレックスに何が起きているのか?
2.スポーツモデルは入手困難

――なるほど。では「smart」の読者へ向けてのロレックスエントリーモデルは何がいいでしょうか?

矢島 初めてとなると、エクスプローラーⅠはまず堅いのではないでしょうか。金額的に考えても、年式、付属品などを選ばなければ90万円台から買えますし、安いとはいいませんが、ロレックスとしては比較的お求めやすい価格帯だと思います。

エクスプローラーⅠ

エクスプローラーⅠ[Ref.124270]¥1,398,000(クォーク上野本店☎03-3836-6337)

――確かに入門編として考えると、リーズナブルかつ人気モデルですし、いいかもしれませんね。ではリセールバリューも含めて考えるとどうでしょう?

矢島 安定しているのはサブマリーナーデイトです。デイトナもリセールバリューは高いんですが、金額の差だけで考えてみると、並行輸入品を買って手放した場合、デイトナだと大体8掛けぐらいの査定金額になることが多いんですが、買ったときの金額が大きいのでどうしても幅が出てしまうんです。その点、サブマリーナーデイトに関してはほぼ8・5掛けです。今は全体的に買い取り額は下がってきてはいるんですが、サブマリーナーデイトは、他のモデルより安定しているのでそのくらいで買い戻せるというイメージはありますね。あとは、GMTマスターⅡ、このあたりも比較的安定しています。

ロレックス専門店クォーク店長が語る「ロレックスを手に入れるための傾向と対策」

GMTマスターⅡ[Ref.126710BLRO]¥3,408,000(クォーク上野本店☎03-3836-6337)

――今買い取り価格が下がってきているとおっしゃいましたが、実は販売価格も今年の7月あたりから下がりだしたという話を聞きましたが。

矢島 そうです。おっしゃるように、実際に先月くらいから下がっています。

――その原因は何でしょう。

矢島 並行ロレックスの販売価格の動きでいうと、いちばん高騰したのは今年の3月くらいでした。その理由は投資家が買ったりなどで、とにかくモノが店頭に並ばないという超品薄状態になり、価格が一気に上がってしまいました。実際、SS(ステンレス・スチール)のデイトナあたりは新品並行で700万円以上までいきました。しかし一般的に考えて、700万円の時計が売れるかというと、買える方はなかなか少ない。ここまで上がってしまうと、お客さんもなかなか手を出せず、実際に手を出さなくなってしまいました。そうすると当然買わないお客さんが増えたことで、買わない現象が市場で続くとどうなるかといえば、業者間同士で値下げが始まり、徐々に価格は落ちていきます。また、一度落ち出すとお客さんの中で、まだ落ちるのではないかということで、様子見という買い控え現象が起きます。このスパイラ
ルで、少しずつ価格が下がっているという状況です。

ロレックス専門店クォーク店長が語る「ロレックスを手に入れるための傾向と対策」

デイトナ[Ref.116500LN]¥4,878,000(クォーク上野本店☎03-3836-6337)

――これはデイトナのような高価格帯のモデルだけの現象なのでしょうか?

矢島 いえ、全体的な動きです。

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