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2024年6月25日(火)
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教えて!『ガンプラくん』プラモデル開発秘話 ~「ガンプラ」の進化と楽しさを感じられる最新キットができるまで~

発売中のsmart9月号には、smart付録史上初めての「ガンプラ付録」がついてくる。今回は、BANDAI SPIRITSの企画開発担当者にインタビュー。特別付録『1/1ガンプラくん[ペインティングモデル]』の開発秘話をお届けする。(※本記事は「smart」2022年9月号に掲載されたものです)

教えて!『ガンプラくん』プラモデル開発秘話 ~「ガンプラ」の進化と楽しさを感じられる最新キットができるまで~

©創通・サンライズ

お話ししてくれた人:
BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン企画第一チーム 栗原直也さん

——今回smartの付録に登場した「ガンプラくん」は、どんな発想から生まれたキャラクターなのでしょうか。
栗原 「ガンプラくん」は若い世代やプラモデルに触れたことがない方々に、「ガンプラ」の存在や楽しさを伝えるためのPR活動をするキャラクターとして生まれました。この「ガンプラくん」を通じて、多くの人に「ガンプラ」を知ってもらうきっかけになればいいなと思っています。

——今回の「1/1ガンプラくん」は、かなり画期的な挑戦をしているプラモデルだそうですね。
栗原 この小さなキットには「ガンプラ」の進化と楽しさが詰まっていると思います。まず昨今の「ガンプラ」で採用されている「スナップフィット」という、接着剤を使わなくても指先の力だけでパチンとパーツをハメられる仕組みを採用しました。さらに「ガンプラ」としては初めて、LIMEXという新素材を採用しています。このLIMEXとは、石灰石を50%以上使っている新素材で、プラスチックよりもエコでSDGsにも対応した素材なんです。パーツを成形するときに発生するヒケ(プラモデルの金型に樹脂を流し込んだときに発生するへこみ)が少ないので、プラモデルのパーツ数を少なくできるというメリットがあります。たとえば、これまでの「ガンプラ」だったら、腕の表面と裏面のパーツを複数組み合わせる必要がありましたが、今回の「1/1ガンプラくん」では左右の腕のパーツは左右ひとつずつだけで成立しています。プラモデルのマニアも驚くような、プラモデルとしての進化を感じられるキットになりました。

——そういう新素材を「ガンプラ」で使うにあたり、開発現場ではどんな試行錯誤があったのでしょうか。
栗原 従来プラモデルを開発するときは、まず金型を作って、そこに樹脂を流し込むのですが、LIMEXは従来のプラスチックとは、樹脂の流れ方や流すタイミングが違うんです。そこでバンダイホビーセンターの熟練のスタッフたちが試行錯誤して、樹脂が流れ込むランナーの本数や太さを変えたり、パーツの配置を調整したりしながら金型を作っていきました。あと今回は雑誌の付録ということで、梱包に様々な制限がありました。プラモデルのサイズや、配送中に壊れにくい強度などを、印刷会社さんや編集部さんと協力して、何度もテストしました。また、この特集に掲載されている「1/1ガンプラくん」の取扱説明書も、バンダイホビーセンターのデザインチームが担当しています。普段は「ガンプラ」のパッケージや取扱説明書を作っているチームが、smartの紙面に合わせたデザインをしているので、そちらも楽しんでいただきたいと思っています。企画、設計、デザイン、流通と、「ガンプラ」を手がけているスタッフの総力を結集したキットになりました。

教えて!『ガンプラくん』プラモデル開発秘話 ~「ガンプラ」の進化と楽しさを感じられる最新キットができるまで~

©創通・サンライズ

——すごいですね。バンダイホビーセンターのスタッフの皆さんの想いが込められているキットなんですね。
栗原 スタッフからは、もっとこうしたほうがプラモデルとして組むのが気持ちよくなる、というアイデアをたくさんいただきました。たとえば「1/1ガンプラくん」の顔、目の部分は、シンプルにするのだったらモールド(パーツのへこみ)で表現するという方法もありえると思うんです。でも、今回は顔のパーツと目のパーツに分けていて、それらを組み立てることで、プラモデルを組む面白さを味わっていただこうということになりました。パーツとパーツを組み合わせて、スパッとハメることで、プラモデルを組む気持ちよさが感じられると思います。バンダイホビーセンターのスタッフは、プラモデル作りやモノ作りの経験値がとても高いので、プラモデルの醍醐味を味わえるようなキットに仕上がっています。

——「1/1ガンプラくん」は、プラモデルを組む難度としてはどれくらいのものになっているのでしょうか。
栗原 初めてプラモデルを組むという方にもストレスなく作れるようなグレードになっていると思います。設計のスタッフがユーザー視点で配慮して、ランナーとパーツの配置やパーツの構成を決めていきました。プラモデルを組んだ経験がある方でしたら5~10分で組み上げることができるのではないでしょうか。

——smart読者に「1/1ガンプラくん」をどのように遊んでほしいですか。
栗原 「1/1ガンプラくん」は頭部の角度を変えたり、腕の位置を動かすこともできます。装備もビーム・サーベルやビーム・ライフル、シールドをパーツとして用意していますので、ぜひ、カッコいいと思うポーズで飾ってほしいですね。さらに今回は「ペインティングモデル」なので、「ガンダムマーカー」で彩色していただくのも楽しいと思います。いろいろお話ししましたが、難しいことは考えずに、パッと組んでいただけたら嬉しいです。お洒落なデザインのキットになっていますので、好きなところに好きなポーズで「1/1ガンプラくん」をディスプレイしてください!

教えて!『ガンプラくん』プラモデル開発秘話 ~「ガンプラ」の進化と楽しさを感じられる最新キットができるまで~

©創通・サンライズ

Interview & Text_HIDEKUNI SHIDA

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20:00

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