「かつての敵は、最強の戦友に」Valuence INFINITIESが誇るTSUKKI&HIRO10、二人のB-BOYが誓う“エースの証明”
執筆者: 音楽家・記者/小池直也
毎日6〜8時間練習を積み上げて今がある

――今季、印象に残っているショーケースは?
HIRO10:開幕戦「Won’t Stop」はチームのみんなとの距離がぐっと縮まったラウンドでした。2シーズン目に入って、もう少し自分を全開放しようと思えて、それにメンバーもウェルカムしてくれた。勝てたし、エースも獲れたし、すごくいいラウンドでした。
TSUKKI:合宿から開幕までの期間が少なくて、みんなと過ごした時間をそのまま詰めこんだ思い出があります。何事も最初は大事なので、フルメンバーで挑んで勝てたのが嬉しかった。一方で先ほども挙がったROUND.4は、MVD(最優秀ダンサー)に選ばれたけど、結果は敗北でした。
HIRO10:でも、それも含めて全部楽しかった。
TSUKKI:そうだね。
HIRO10:あとは、SPダンサーとして韓国のJINさんを迎えたROUND.3「NEO CLASSIC」も印象に残ってます。相手のM&A SOUKEN QUANTSさんの照明演出がすごくて、「こういう戦い方もあるのか」と学びが多かったです。
――各ラウンドでエースを務めるときに大事なマインドとは?
HIRO10:プレッシャーはあるんですけど、「絶対に獲れる」と考えてます。自信満々で演技をやりきる感じ。「負けたらどうしよう?」とは考えません。負けたら負けたで、また見返せばいい。
TSUKKI:他のダンサーさんをリスペクトしつつ、やっぱり僕たちは違う世界で戦ってきたという自負があります。「エースを任せる」と言われたら、「任せてください。絶対獲るんで」と言えます。やっぱり個人でやってきた、という自信は大きいと思います。重ねてきた努力があるから、不安や緊張をせずに挑めるのかなと。
――練習量が自身に繋がっている、ということですね。
TSUKKI:ベースはそこですね。出場しない作品は練習に参加せず、個人活動をさせてもらっていて、その期間に積み上げた努力を自分が出る作品に落とし込んでいます。トップアスリートで練習しない人はいないですよ。野球でいえばイチローさんや大谷翔平さん、ダルビッシュさんも、見えない部分での努力がすごいと思うので。
HIRO10:五輪のおかげで、「Breaking」のレベルがめちゃくちゃ上がりましたね。全体が底上げされました。
TSUKKI:ダンスはヒップホップカルチャーから生まれてるから、練習したり、アスリート寄りな姿勢はダサいって言われることがあるのも事実。でも結局それをやらないと上には行けない。最終的に結果が証明してくれるんですよ。僕もHIRO10も昔から毎日6〜8時間練習してきました。その積み上げが今の自分たち。
――「パリオリンピック2024」で「Breaking」が種目に採択されたのは、ダンス界にとって大きなニュースだったと思います。それに否定的な意見もあったのですね。
HIRO10:自分はどちらかと言えば、カルチャー寄りの「Breaking」のほうが好き。いいバランスでやっていきたいですね。カルチャーの人でダンスだけで食べていける人が少ないのも現実。
練習についても、オリンピック後はその日に感じたことをやったり、朝起きて今日は練習したくなければダンス以外のことをやったり。そういうマインドも大事だなって最近気づいたんですよね。それで負けるなら負けるで、もっと練習すればいいだけだし。
この記事を書いた人
音楽家/記者。1987年生まれのゆとり第1世代、山梨出身。明治大学文学部卒で日本近代文学を専攻していた。自らもサックスプレイヤーであることから、音楽を中心としたカルチャー全般の取材に携わる。最も得意とするのはジャズやヒップホップ、R&Bなどのブラックミュージック。00年代のファッション雑誌を愛読していたこともあり、そこに掲載されうる内容の取材はほぼ対応可能です。
Website:https://smartmag.jp/
お問い合わせ:smartofficial@takarajimasha.co.jp
この記事をシェアする
この記事のタグ
関連記事










