「かつての敵は、最強の戦友に」Valuence INFINITIESが誇るTSUKKI&HIRO10、二人のB-BOYが誓う“エースの証明”
執筆者: 音楽家・記者/小池直也

プロダンスリーグ・D.LEAGUEに、世界基準の「Breaking」を持ち込む存在がいる。Valuence INFINITIESのTSUKKIとHIRO10だ。ブレイクダンス世界最高峰「FreeStyle Session World Final」制覇、パリ五輪出場――。それぞれが個人として世界で戦い抜いてきたふたりが、チームメイトとして戦う姿は胸熱だ。
25-26シーズンはファイナルラウンドを目前に、佳境を迎えている。カルチャーとスポーツ、個人とチーム。いくつもの軸をまたぐ両者の言葉から、Valuence INFINITIESの素顔が見えてきた。
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“火力”全振りの特攻隊

――まずは、お互いの印象について教えてください。
HIRO10:ライバルであり友達、戦友みたいな感じですね。これまでは1対1で戦ってきたので、同じチームになって戦うなんてD.LEAGUEが初めてです。
TSUKKI:昔から知っていて、一緒に海外に行ったりもしてました。ライバルではあるけど、今、Valuence INFINITIESのメンバーとして戦っているのが感慨深い。
HIRO10:パワームーブ以外のステップは他のメンバーがカバーしてくれるので、僕とTSUKKIは全力パワーでValuenceの火力を上げる役割だと思ってます。
――Valuenceは硬派なショーケースが多い印象ですが、チーム内でバンド「夢弦」を結成したり、遊び心も感じます。
HIRO10:パフォーマンスやショーケースはカッコいいんですけど、よく見ると自分たちしか気付かない、おもしろポイントがあるんですよ。SEIYA君がダンス中にふざけてたり。そのギャップをショーケースにいい形で落とし込めてるのかなと。メンバーの仲もいいので、それも強み。
TSUKKI:普段の練習のファミリー感が、そのまま作品に出てるなと思います。自分たちにしか出せないキャラクターがラウンドで輝いている気がする。
――おふたりは世界を舞台に戦っていますが、その視点からD.LEAGUEに参加して感じることは?
TSUKKI:僕とHIRO10はSPダンサーを経てValuenceのメンバーになりました。今でも個人活動も積極的に行っていて、国内から国外だったりとか、いろいろな大会に出ています。
「Breaking」は、1対1のソロバトルがほとんど。だからD.LEAGUEのステージで、5000人以上の方が観ている前で勝つ感動や達成感は新鮮でした。「やりきった!」みたいな。今までに味わったことのない感覚です。
HIRO10:ダンスが日本中に広がっているし、ダンスだけで生活できるダンサーも増えていますよね。ダンサーにファンが付く、アイドルみたいな感じもエンターテインメントとして面白い。ただ今季からオーディエンス票が50%になって、ダンス以外の面でジャッジされるのは難しさも感じますね。ROUND.4「SHAPE」は悔しかった。
だから僕らがオーディエンスを増やす方向で頑張るのか、それをねじ伏せるぐらいのダンス力でいくのか。今季は新メンバーも4人入れ替わって、ディレクター・KATSUYAさんも「新しい1年目」と言っていましたね。これからまた強くなっていくはずです。
――今季からの2ブロック制についてはいかがでしょう。
HIRO10:昨季の2週間に1回の試合ペースと比べると、準備期間は増えましたね。
TSUKKI:2週間に1回「Breaking」のショーケースを作るのは相当大変。KOSÉ 8ROCKSさんもすごいですが、ヒップホップを混ぜながら作り続けた自分たちもヤバかったと思う(笑)。ただ8ラウンドしかないので、1試合1試合を大事にしないと。
ダンサーとしては大変な面もありますが、お客さんからすれば、推しを連日見れるから嬉しいと思いますよ。毎年、少しでも改善しようとルール見直しが起きているはず。こちらとしては毎年違う経験ができて新鮮です。
この記事を書いた人
音楽家/記者。1987年生まれのゆとり第1世代、山梨出身。明治大学文学部卒で日本近代文学を専攻していた。自らもサックスプレイヤーであることから、音楽を中心としたカルチャー全般の取材に携わる。最も得意とするのはジャズやヒップホップ、R&Bなどのブラックミュージック。00年代のファッション雑誌を愛読していたこともあり、そこに掲載されうる内容の取材はほぼ対応可能です。
Website:https://smartmag.jp/
お問い合わせ:smartofficial@takarajimasha.co.jp
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