「すべては破壊と再生」List::Xの異端児・Runa MiuraとTenjuがD.LEAGUEで掴んだ“光”とサカナクションから得たもの
執筆者: 音楽家・記者/小池直也
サカナクション「怪獣」を演じたときの臨死体験

――Runaさんはサカナクションのツアー「SAKANAQUARIUM 2025 “怪獣”」でメインダンサーを務められました。それについても聞きたいです。
Runa:キャスティングの人から「サカナクションが怪獣のような踊りをする人を探している。Runa君しかいないと思う」と誘ってもらったんですよ。監督からもすぐOKが出たみたいで、そのまま出演が決まりました。怪獣になっていく過程のシーンなどをいろいろ演じて人生観が変わりました。
――その経験は、List::Xとして踊る感覚にも影響していますか?
Runa:そうですね。特に楽曲「グッドバイ」では、臨死体験に近い感覚というか。自分ひとりで踊っているのではなく、周囲の人や過去の経験を背負って身体が動いている感覚がありました。あの経験は、いまチームで踊るときの意識にも繋がっていると思います。
またボーカルの山口一郎さんは初対面で、いきなり「僕、昨日悪夢を見て……」と話し始めたのが印象的でした。よく喋る、不思議な人だなと。あとは笑顔でも、目の奥が笑っていないようなところが魅力的でしたね。
――今季からの2ブロック制についてはどうですか?
Runa:ありがたいです。去年は参加1年目でしたし、2週間に1回のラウンドが大変すぎました(笑)。
Tenju:準備も何もない状態で「これだけラウンドあります」、「ルールも大幅変更してます」みたいな(笑)。
Runa:そういう意味では2年目、超余裕ありますよ。
Tenju:2ブロック制で制作期間も増えたし、僕らとしては嬉しいです。
Runa:去年は忙しすぎて、他のチームの作品をゆっくり見られてなかったんですよ。できてもリハの合間に観るくらいで。今は自分たちもお客さんと同じ目線で体感できるし、やっぱり感動しますね。引き続き2リーグ制にしてほしいです。

――昨年末、横浜にチームのための新スタジオ「The Port by List」をオープンされましたね。居心地はいかがですか?
Runa:ホームとなるスタジオを構えられるのは嬉しいです。横浜も大学に通っていたので馴染みがある場所で、中華街にもよく来てました。どういう意義でスタジオを成り立たせるかを考えたり、建物に愛着が湧いたり。新しいステージに立ったなと。
Tenju:ホームスタジオを広く作っていただいて嬉しい。「余裕のある空間で踊ること」の大事さを改めて感じてます。完成するまではレンタルスタジオでリハを重ねてきましたが、練習も休憩も限られた狭い場所でしかできませんでした。
圧迫感で空気がギスギスするんですよ。マインドも固まるし。横浜は眺めがいいし、海もあるから心が澄む。そうなると心も頭も余裕が生まれてくるので作品作りにも絶対いい。人間関係にもいい。ダンスだけでなく、今はいろいろなものにスペースを作る努力をしてます。

――個人的に気になるチームがいれば教えてください。
Tenju:ストリートからオーバーグラウンドに立ってるって意味では、DYM MESSENGERSが境遇は近いなと思います。1年目で奇抜なことをバンバンやって、チームカラーができあがった今の状態で対決してみたいですね。「アクロバットとか小道具とかではなく、ダンスで勝負しません?」みたいな。それができそうなチーム。
Runa:DYMは友達も多いし、素敵なダンサーが集まってる印象です。ただ、いつも「今回どうするの?」と気になっているのは、CHANGE RAPTURES。チャンピオンシップ(CS)で車が出てきたときはヤバかった。概念を壊してきたなと。
踊るのはもちろんだけど、造形物を作るチームと化してて、それが好き。もしCSで決勝まで行ってたら、ヘリコプターが出てくるのかと思ってました(笑)。面白いですよね。ビル作って生活する作品とか見てみたい。
Tenju:うちらには絶対できないね。
この記事を書いた人
音楽家/記者。1987年生まれのゆとり第1世代、山梨出身。明治大学文学部卒で日本近代文学を専攻していた。自らもサックスプレイヤーであることから、音楽を中心としたカルチャー全般の取材に携わる。最も得意とするのはジャズやヒップホップ、R&Bなどのブラックミュージック。00年代のファッション雑誌を愛読していたこともあり、そこに掲載されうる内容の取材はほぼ対応可能です。
Website:https://smartmag.jp/
お問い合わせ:smartofficial@takarajimasha.co.jp
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