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連載真説 星野仙一 ~誰も知らない“鉄拳制裁”の裏側~

「20キロ痩せてこい!」山﨑武司が明かす星野仙一の荒療治と覚醒前夜

執筆者: ノンフィクションライター/長谷川 晶一

ドラフト2位で中日ドラゴンズから指名された山﨑武司は、プロ入団後すぐに星野からアメリカ留学を命じられた

プロ入り早々、アメリカ行きを命じられる

 最初の出会いはプロ入り前、山﨑が愛工大名電高校3年の春のことだった。突然、星野が高校に現れたのだ。

「当時の星野さんはNHKのキャスターを務めていた頃で、たまたま高校の寮のある春日井市で講演があって、そのついでに学校にやってきました。おそらく、すでに翌年からの監督就任の話があって、“名電にいい選手がいる”という話を聞いて、僕のことを見に来たようでした」

 このとき、山﨑はそんな事情など知らない。その年の秋、ドラフト2位で中日ドラゴンズから指名されて初めて、「あぁ、そういえばあのとき……」と思い至ることになる。1987(昭和62)年、星野が監督に就任すると同時に、山﨑もドラゴンズ入りを果たす。プロ入団後、山﨑はすぐにアメリカ留学を命じられた。指令を下したのは星野だった。

「あの当時は高卒選手が即戦力で活躍することはほぼなかったので、僕としても“数年は下積みを経験しよう”と考えていました。そんなことを思っていたときに、いきなり監督室に呼ばれて、“今すぐアメリカに行け”と星野さんに言われました。そんなことを言われたって、パスポートもないし、ビザの手続きもしていない。そう説明したら、“オレが行けって言ったら、すぐに行け!”と言われたことを今でも覚えていますよ(笑)」

ロサンゼルス・ドジャース傘下であるルーキーリーグのガルフ・コーストリーグ・ドジャースでは三塁手としてプレーした。捕手としてプロ入りしていたものの、チームには2学年上の中村武志が将来の正捕手として有望視されていた。それはむしろ、山﨑にとっては好都合だった。

「僕は元々、キャッチャーはやりたくなかった。中村さんが正捕手として期待されているのはわかっていたので、そもそもキャッチャーとしての向上心は持っていなかった。バッティングで勝負したかったので、むしろサードのほうがよかったんです。でも、なかなかチームはコンバートをしてくれない。そんな状況がしばらくの間続きました」

ドラフト2位で中日ドラゴンズから指名された山﨑武司は、プロ入団後すぐに星野からアメリカ留学を命じられた

 1987~91年までの第一次星野政権期、山﨑はキャッチャーを中心としつつ、サード、ファーストなど、なかなかポジションが固定されない状況が続いた。この間、プロ3年目となる89(平成元)年、プロ初安打を放ち、星野の監督最終年となる91年には初ホームランも記録した。それでも、なかなか一軍定着できない時期が続いた。

「この頃、星野さんにまったく相手にしてもらえない二軍扱いの選手でした。一応、一軍の試合には出ていたけど、消化ゲームで経験を積ませるためのものばかり。僕が星野さんに相手にしてもらえるようになったのは、96年からの二度目の監督時代のことですから」

 第一次星野政権は91年でひと区切りとなった。そして高木守道監督時代を挟んだ96年、再び星野がドラゴンズに戻ってくる。山﨑はチームの中心選手として飛躍が期待されていた。そしてここから、星野と山﨑の関係が本格化するのである。

この記事を書いた人

1970年生まれ。早稲田大学卒業後に出版社へ入社し、女子高生雑誌『Cawaii!』などのファッション誌の編集に携わる。2003年からフリーに。ノンフィクションライターとして活動しながら、プロ野球12 球団すべてのファンクラブに入会する「12 球団ファンクラブ評論家®」としての顔も持つ。熱狂的な東京ヤクルトスワローズファンとしても知られ、神宮球場でのホームゲームには全試合駆けつける。単行本が7刷となり文庫化もされている『詰むや、詰まざるや 森・西武 vs 野村・ヤクルトの2年間』(単行本:インプレス、文庫:双葉社)をはじめ、ヤクルト関連の著書・連載多数。スポーツ総合雑誌『Sports Graphic Number』(文藝春秋)にも定期的に寄稿中。日本文藝家協会会員。

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