[Alexandros]川上洋平が「死」を意識して綴った2ndエッセイ『次幕』 40代を迎え、今こそ“自分をさらけ出す”理由

執筆者: ライター/黒川すい

洋楽からJPOPまで!多彩な音楽遍歴に迫る

──「前作を通して作詞への考え方が変わってきた」という旨が綴られていましたが、改めてその変化について伺えたら嬉しいです。

川上 『余拍』を経て、自分なりのものの書き方が掴めたように思います。昨年出した『PROVOKE』というアルバムは、割と『余拍』を書いた影響がすごく反映されているんです。今作にも書きましたが、自分の何気ないメモ書きのようなところから始まっていった曲が多いですね。そうやって書けばいいんだなって気づきました。

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──今話題に上がった『PROVOKE』ですが、リリースされた際、今が“バンド活動の中盤”と表現していたかと思います。後半に向けての意気込みなどはありますか?

川上 徹底的に好き勝手やりたいなと思ったときに、じゃあその好き勝手ってなんだろう?と考えました。行き当たりばったり、その日に思いついたものをそのまま音楽にしたためるのではなくて、好き勝手だからこそ、本当にこれは自分のやりたいことなのかをちゃんと見極めてから、これからは作っていきたい。丁寧にじっくり作っていきたいなというフェーズに入りましたね。

川上洋平2ndエッセイ『次幕』

川上 それこそ今までは、初期衝動的に、思いついたものをそのまま曲にしていて。それもすごく素敵なんだけど、後から“もう少しああしたら良かったかも”と思うことが結構多かったんです。後悔とはまた違いますが、なるべくそういう思いが残らないような作り方をしていきたい。そう考えるようになったのは、やっぱり40を過ぎて死というものを意識し始めたからだなと感じます。自分がいつ死んでもいいように、いつまでも作品は生き続けていけるように、作っていきたいです。

──今作の内容をさらに詳しく深掘っていきたいのですが、個人的に特に印象に残っているのが『創造の幕』。「いつから始まった?の幕」で、小3の頃のバラードの記憶に触れられているかと思います。どこからインスピレーションを得ていたのか、覚えてる範囲で伺えますか?

川上 当時シリアに住んでいて、日本のテレビ番組はもちろん映りませんでした。でも紅白歌合戦や音楽番組の録画動画だけは、毎年VHSで送られてきたんです。そこに映っていた演歌歌手の歌唱姿をなんとなく想像していた気がしますね。本書にも書いた通り、自分のオリジナルバラードなので、曲調は全く演歌ではなかったですが……。

──あともう一つ、Mr. Childrenの曲を翻訳したエピソードも登場していました。改めて、英語と日本語それぞれの捉え方についても教えてください。

川上 あんまり(英語と日本語を)分けて考えていなくて。帰国子女って日本語を話しているときに、たまに英語が混ざったりするじゃないですか。あの感覚で、普段から歌詞も書いています。

川上洋平2ndエッセイ『次幕』

川上 僕の曲の歌い出しって英語が多いんですけど、それは鼻歌をもとに作っているから。鼻歌のときは英語が多いんです。その名残を消さないように、英語と日本語それぞれを歌詞にしたためるようにしています。

──クリエイティブの起源として挙げられたこの2つのエピソード(小3のバラード、Mr. Children楽曲の翻訳)は、シリアにいらっしゃった頃のお話かと思います。シリアに行く前の音楽遍歴なども伺ってみたいです。どんな音楽に影響を受けられたんでしょう?

川上 やっぱり兄と姉の影響が結構強いと思いますね。例えば、兄は洋楽がすごく好きで。シリアに行く前から、洋楽をたくさん聴いている彼を横で見ていたので、その頃から“洋楽のエキス”みたいなものは、自分に入り込んでいたように思います。

一方で、姉はJ-POPがすごく好きだったんですよ。それこそMr. Childrenの曲の翻訳エピソードで出てきた『Tomorrow never knows』も姉が教えてくれた一曲です。こんな感じで、兄・姉の両者からそれぞれ洋楽とJPOPの良さを教えてもらったのは、自分の中で大きいです。あとはアニソンも好きでした。『ちびまる子ちゃん』とか『パプアくん』とか、今聴いてもグッときちゃいます。

この記事を書いた人

アパレル業界に勤めた後、フリーライターに。ファッションはもちろん、グルメ、エンタメ、お出かけ情報など幅広いジャンルの執筆経験あり。ウェブを中心に活動中。趣味はアートトイの収集や喫茶店巡り、読書。

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