「CSに行くまで辞められない」D.LEAGUE 6年目の指揮官HALが語るディレクターの重圧と葛藤、keijiro電撃復帰の裏側【Benefit one MONOLIZインタビュー】

執筆者: 音楽家・記者/小池直也

「CSに行くまで辞められない」D.LEAGUE 6年目の指揮官HALが語るディレクターの重圧と葛藤、keijiro電撃復帰の裏側【Benefit one MONOLIZインタビュー】

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25-26シーズンの幕が上がったプロダンスリーグ・D.LEAGUE。初の試みである2ブロック制と新たなルールのもと、既にROUND.2までを終えてROUND.3が迫っている。keijiroの電撃復帰が話題となったBenefit one MONOLIZは今季をどう戦っているのか。6年目の指揮を執るディレクター・HALとkeijiroのふたりに語ってもらった。

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keijiro電撃復帰の裏側

D.LEAGUE 25-26を戦うBenefit one MONOLIZ・HAL&KEIJIRO

――今季はkeijiroさんの電撃復帰に驚かされました。

HAL:ずっと「復帰してほしい」と口説いていたんですよ。自分と違うジャンルを持っていて、かつ気持ちよくできる存在。今季やっとカムバックしてくれました(笑)。

keijiro:以前MONOLIZに在籍していた頃は、ジャンルや衣装、環境などの諸々を含めて「やらせてもらっている」という感覚が強かったんです。だから一度、自力で消化できるようにしてやりたいことを見つけたいなと思っていました。

HAL:確かに少し遠慮している部分はありましたね。自分自身へのリスペクトが足りてないような。でも日本一のダンススタジオの座を争うSD.LEAGUEで結果を出したという部分もあってか、ダンサーとしても人としても成長したなと感じてます。

keijiro:この2年間の制作や挑戦を経て、客観的に今のMONOLIZを見たときに「もう一度、戦わせてほしい」という気持ちが湧いてきたんです。今なら自分の力をチームの推進力にできるのかなと。

HAL:他人と自分を比較したときに、自分の強みを踏まえて相手の長所や勝つためにどうするかを考えられるようになったよね。考え方が成長してる。

keijiro:照れちゃいます……(笑)。

――D.LEAGUE発足当時から戦い続けているディレクターは、HALさんとCyberAgent LegitFISHBOYさんだけです。この大変な役目を務めて6年目、苦労もあるかと思うのですが。

HAL:めちゃくちゃ大変ですよ(笑)。ただ個人的なキャリアで考えると、ダンサーではない方たちにチームのみんなのことを知ってもらえて、成長させられる機会はもう後にはないと思うんです。

keijiro:HALさんは真っ直ぐすぎるので心配になるときがあります。僕もSD.LEAGUEでディレクターをやってみて、やっとメンバーを尊重して作品をまとめることの難しさとストレスが実感できました。

HAL:負けず嫌いな性格なので、CSに行くまでは辞められないぞという気持ちですね。だから個人的にやりたい活動は我慢して、ディレクターとして残っています。

keijiro:「CSに向けて自分たちのダンスを見せる」という姿勢を貫いていることが、メンバーが変わってもチームを束ねられる力なのかなと。その背中を自分たちも追いかけています。とはいえ、あまり無理しないでくださいね。

D.LEAGUE 25-26を戦うBenefit one MONOLIZ・HAL&KEIJIRO

――今季のチームはいかがですか?

keijiro:結束力が高まったという気がします。それを昨シーズンにSPダンサーとして参加したリハーサルで感じました。

HAL:全員がマルチにいろいろなジャンルを踊れるようになったし、アクロバットの内容もレベルアップしています。keiちゃんも入ってブレーンも増えているので、ショウケースの幅を広げていきたいとは考えてます。

keijiro:今季から審査項目が点数ではなくパーセンテージになったということもあり、自分たちの強みであるコレオグラフィーの部分は確実に取って、他の部分は少しずつ取るという攻め方もできるのかなと思っています。

――さらに今季からオーディエンス票の割合が1/2になっています。踊っている側としてはどう感じていますか?

keijiro:会場ジャッジは感動させたものが勝ちに近いのかな、とは思いますね。

HAL:まだ2回しかやっていないので、まだ掴みきれていないところはあります。

keijiro:推しているチームに入れる人も多いはずなので、SNSでの発信も課題。どう発信していくかはメンバーで考えています。あとはファンミーティングなども計画したり。

この記事を書いた人

音楽家/記者。1987年生まれのゆとり第1世代、山梨出身。明治大学文学部卒で日本近代文学を専攻していた。自らもサックスプレイヤーであることから、音楽を中心としたカルチャー全般の取材に携わる。最も得意とするのはジャズやヒップホップ、R&Bなどのブラックミュージック。00年代のファッション雑誌を愛読していたこともあり、そこに掲載されうる内容の取材はほぼ対応可能です。

X:@naoyakoike

Website:https://smartmag.jp/

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