「自分の魅力は摩訶不思議さ」Zutti(ズッチ)が語る“人の常識を超えていく”表現哲学と、妥協しない仕事へのストイックなこだわり

執筆者: エディター・ライター/相馬香織

人の常識を超えていく「摩訶不思議」さが自分の魅力

「自分の魅力は摩訶不思議さ」Zutti(ズッチ)が語る“人の常識を超えていく”表現哲学と、妥協しない仕事へのストイックなこだわり

――ご自身の仕事や表現を一言で表すとしたら、どんな言葉ですか?

ズッチ:「摩訶不思議」。やっていることをいろいろひっくるめて、摩訶不思議だと思います。友達に以前、「ズッチは法を犯すようなものは何もやっていないのに、どうしてこういうアイデアが湧くの?」と言われたことがあります。その方はかつてそういう経験をされた方なのですが、「そのときに自分が見ていた世界とズッチの作品は同じなんだ」と言われました。自分のやっていることは、人の常識を超えていっているものなので「摩訶不思議」だと思っています。

――これまで手がけたものの中で、特に思い入れのあるものは何ですか?

ズッチ:今回、出版させていただいた『誰かのルールで、美しくならない。は自分の人生においても大切な一歩でもあったので、とても思い入れのあるものでした。ほかにも、アイシャドウやクッションチークなどコスメのプロデュースをしたことはとても印象に残っています。それから、初めて海外でお仕事をさせていただいたときのことも思い出深いです。

「自分の魅力は摩訶不思議さ」Zutti(ズッチ)が語る“人の常識を超えていく”表現哲学と、妥協しない仕事へのストイックなこだわり

――これまで手がけてきたお仕事の中で、一番嬉しかったこと、苦労したことを教えてください。

ズッチ:先ほど思い出深いとお話した初めての海外でのお仕事というのは、シドニーでのLGBTQのお仕事だったのですが、国籍や性別、仕事に挑む姿勢などすべてがフラットな世界で、自分の世界観が広がった瞬間でもありました。ただ、それと同時に言葉で苦労をしました。ある程度は翻訳機を使ってどうにかやり過ごしたのですが、やはり言葉で苦労をしましたね。

コスメのプロデュースに関していえば、コスメを作るというのはとても大変で、「嘘と妥協が嫌い」とお話ししたとおり、コスメへのこだわりもとても強いので、「コストが高く、予算にはまらないです」と言われても「絶対に作ってください!」と引くわけにもいかず……。そうしたやり取りは大変でもあり、とても楽しい時間でもありました。ただ、そうして作り上げたものを待っていてくださる方がたくさんいて、商品が即完売したときにはとても嬉しかったです。

――ズッチさんの趣味やリフレッシュ方法を教えてください。

ズッチ:最近、服でも靴でも、パッと見て欲しいなと思ったものをバンバン買っていても、その後の幸福度は続かないということに気づいて……。その上で改めて考えてみると、自分の中で一番幸福度が上がる瞬間というのは、やはり自然に触れること。なので最近はお散歩と自転車での爆走ですね。ただ人のためにお金を使うことは別なので、そういうお金は使っています。

――最後に読者へのメッセージをお願いいたします。

ズッチ:今回の本では、「これまで歩んできた人生があってこそ今がある」ということを伝えたいと思っています。みなさんそれぞれがさまざまな家庭環境の中で育っていて、幼少期のそうした環境によって人格形成はされていくものだと思うのですが、たとえそれが自分のコンプレックスだったとしても、必ず未来はいい方向に進むと思いますし、自分にとってマイナスになるものがあったとしても、それが何かの糧になる可能性だってある。過去の自分に目を背けることなく、しっかりと向き合ってあげること。

そしてその上で、過去ばかり見てるのでなく、今を見つめることが大切ではないかと思います。それから、20代というのは、自分への自信の持ち方や将来に対する不安がある時期だと思います。それでも大切なのは、「自分のやりたいことを声に出し続けること」。ズッチは自分のやりたいことを声に出し続けて、それを叶えてきたので、ズッチを信じて、自分の思いを言葉にしてみてください。

誰かのルールで、美しくならない。

誰かのルールで、美しくならない。

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「自分の魅力は摩訶不思議さ」Zutti(ズッチ)が語る“人の常識を超えていく”表現哲学と、妥協しない仕事へのストイックなこだわり

Profile/Zutti Mattia(ズッチ マティア)
SNS総フォロワー173万人超。唯一無二のビジュアルと、ポジティブで”ありのまま”な発信で支持されている。初の著書『誰かのルールで、美しくならない。』は、葛藤と再生の物語、ジェンダー、美しさへの哲学、SNSとの向き合い方、そしてフォロワーにも語ってこなかった”本音”が詰まった一冊。
Zutti Mattia Instagram:@zuttijapanese
Zutti Mattia YouTube

撮影=神戸健太郎

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この記事を書いた人

映画配給会社を経て、出版社で企画立ち上げ、海外取材などを数々こなし編集長に就任。現在はベトナム・ハノイを拠点に、日本、韓国を飛び回りフリーランスの編集者として活動中。趣味はアクセサリー製作。インスタではベトナム情報をメインに発信中。

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Website:https://smartmag.jp/

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