JO1豆原一成が語る“家族”と“夢”のあたたかい関係――主演映画『富士山と、コーヒーと、しあわせの数式』で見つけた幸せのかたち
執筆者: エディター・ライター/奥住 楓
演技という素晴らしいものに出会えてよかった
――完成した作品を観た感想を教えてください。
豆原 正直、撮影中は「大丈夫かな?」という不安が大きかったので、まず観た感想は「あぁ、こんな感じになってたんだ……!」という(笑)。映画として楽しむ余裕はありませんでした(笑)。ただ最後まで観たときに、安心するような、温かい作品だなと感じて。タイトルにも「しあわせ」という言葉が入っているように、幸せな気持ちになれたというか。僕自身も前向きな気持ちで次に進む力をもらえたので、そんな作品になってよかったなと思いました。演技面では「もっとこうしておけばよかった」と惜しい部分はもちろんありますが、それも含めて拓磨のもどかしさやナチュラルな雰囲気につなげることができた気がします。
――劇中で、拓磨はある言葉に背中を押されて夢へと一歩踏み出します。豆原さんにもこれまでの人生の中で背中を押された言葉はありますか?
豆原 「正解より全力」です。こういう仕事をしていると、いい反応を求めてまわりを伺いながら正解を当てにいってしまうことがあったりして。でも、正解を狙うよりも全力でやったほうが、たとえ失敗してもカッコよくなかったとしても、自分にとってはプラスになると気づいたんです。それからは、いろいろとプレッシャーがかかる場面があっても「これだけ準備したし、あとは全力をつくせば失敗しても大丈夫」と思えるようになりました。自分をポジティブにしてくれる言葉です。
――JO1には豆原さんの他にも演技で活躍するメンバーがいらっしゃいますが、今作への出演についてメンバーから何か声はかけられましたか?
豆原 特に何かを言ってもらったわけではないんですけど、主題歌の『ひらく』をよく楽屋でみんなが歌ってくれているのが嬉しいです。自分が出演している映画の一部でもあるので、それを「すごくいいね!」とたくさん聴いたり歌ったりしてくれるのが本当に嬉しくて。メンバーみんなにもぜひ映画を観てほしいです。
――メンバーと演技についてアドバイスをし合うことはありますか?
豆原 基本的にはしないです。聞かれることはたまにあるんですけど、僕が教えてあげられることは何もないんですよね。お芝居ってすごく深いものじゃないですか。その人が感じたことを自分なりの解釈で表現したほうがいい気がするので、少なくとも僕からアドバイスをするってことはないかもしれないです。
――着実に演技経験を積まれていますが、俳優業に対する今の思いを教えてください。
豆原 いい意味で終わりがないというか、難しいのがおもしろいというか。昔とはちょっと違う感覚です。演技に挑戦し始めた頃は、難しすぎて楽しめないことのほうが正直多かった。でも今はもっとやってみたいし、演技という素晴らしいものに出会えてよかったなと感じています。JO1の活動とは別のところで、これからも役者としての力を磨いていきたいです。
この記事を書いた人
メンズファッション誌の編集を経てフリーランスのエディター&ライターに。最近の趣味はアジア圏へふらっと旅行に行くこと、Bリーグ観戦、バレーボール。最近読んでよかった本は恩田陸さんの「spring」、観てよかったライブはタイラー・ザ・クリエイターでした!
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