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SNSで出会いを求める「裏垢界隈」がいま“悲惨”らしい…SNSでも出会えない人の特徴と本当の居場所

執筆者: ライター・コラムニスト/久留米あぽろ

裏垢を作って異性に絡む人たちが胸に秘めている「本当の気持ち」

今回お話をお伺いしたのは、東京や福岡で裏垢界隈の人々を募ったリアルイベントを行っているウラ早さん

確かに人々のSNSリテラシーも昔より高まってきており、SNSで「完全匿名」で繋がることに抵抗がある人も多いのかもしれない。それでも、リアルで出会うとなるともはや「裏垢」は関係ないような気がしてもしまうが……。

ウラ早「裏垢は今カオスな界隈になっていますが、SNSで出会いを求める人の欲求自体は単純です。自分の周囲に出会いがない、恋愛の機会がないから裏垢を作って、異性にアピールをしているわけです。裏垢界隈は、節操のない無料マッチングアプリのようなもの。マッチングアプリは顔写真を登録するけれど、裏垢はもう少し秘匿性が高い。だけど自信もコミュニケーション能力もない人が多いから、ネット上でも簡単には出会えない

ウラ早さんによれば、今“裏垢”の界隈にもインフルエンサー的な存在が増えているという。目立ったアカウントが増えるほど、個人的に活動したい人たちは埋もれてしまう。

ウラ早「リアルイベントを行っているのには、裏垢を名乗っても出会えない“恋愛弱者”の人々に実践の機会を与えてあげたいという意味合いもあります。ネットでの匿名の出会いなら、街中でナンパするよりは簡単だと思っている人もいるのですが、そんなこともない。匿名の怪しいアカウントなんてたくさんいるので、発信の内容を凝って、コミュニケーションを上手く取らないと、なかなか相手にしてもらえません」

マッチングアプリで出会うのは簡単ではないらしいという話は聞いたことがあったが、よもや「SNS出会い」も戦場化していたとは。ウラ早さんによれば「だから女性は脱いで自撮りするし、男性は女性に媚びるロマンティックなツイートをしている」のだそう。

ウラ早「ウラ早パーティーは、どんな人でも参加できるように間口を大きくしています。僕はただ箱を用意してあげるだけで、中でのコミュニケーションはほとんど自由です。SNSや裏垢ですら出会えない人の中には、異性に対してどんなコミュニケーションを取ればいいかがそもそも分かっていない人も多い。会場には、何度もパーティーに遊びに来てくれている猛者もいるので、そういう人からコミュニケーションスキルを学んでほしいと思っているんです」

パーティーの男女比は7:3で「SNSと同じく女性の方が優位」だという。女性は、SNSの中でも比較的に出会いやすく、男性でコミュニケーションが得意でない人は「全く出会えない」とウラ早さん。

ウラ早「女性は、SNSだけでは信頼できる男性と出会えないから、とリアルイベントに参加してくれます。男性は、パーティーに来さえすればなんとか出会えると思っている人もいるのですが、そう上手くはいかない時もあります。だけど、会場は男性あまりなので、男性同士が仲良くなることも多いんですよ。男性は、出会いを求める時に“仲間”がいるかいないかがかなり大きいので、パーティーで仲良くなった人と友人になって、他の場所で出会いに行く人たちも多いです」

ウラ早さんいわく、裏垢に入ってくる若い男性は「出会いの仲間」がいないことがほとんどだそう。友人ができれば、1人では行けなかった合コンや街コン、クラブなどにも行けるようになり、自分から出会いを開拓しにいけるようになるのだとか。

ウラ早「出会いたいという気持ちの奥底には『1人が寂しい』という感情があります。SNSは1人で始められるから気楽なんだけど、ウラ早パーティーで同性の仲間ができたら、アンダーグラウンドなネットでは出会いを求めなくなったという人も多いんですよ」

裏垢=下世話な界隈というイメージもあったが、解像度を上げていくと、そこには「本当は人とコミュニケーションしたいのに、上手くいかない」という、日陰を生きる人々の悲痛さが隠されていたのだった。

この記事を書いた人

女性向けの恋愛・婚活コラムの執筆、シナリオライターとしても活動。恋バナと青春映画が大好きなゆとり世代のマージナルマン。アニメや音楽が好きだったが、今となってはサブカル崩れ。セクシーな女の子も好き。

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