裏原カルチャーの生き証人が明かす、バウンティハンターHIKARU流のBAPE®愛――初期から最新作まで徹底解剖
執筆者: エディター・ライター/齊藤美穂子
「最初から完成度の高いブランド。本物ってこういうことかと感じます」
――エイプとの出会いについて教えてください。
HIKARU 出会いは本当に初期中の初期で、NIGO®と(高橋)盾が「NOWHERE」を始めた頃ですね。盾は「UNDERCOVER」を立ち上げて、NIGO®は当時買い付けなんかもやっていて。当時は本当に距離が近くて、まわりにもデザインに関わっている仲間がたくさんいたんです。初期のグラフィックを担当していたシンちゃん(SK8THING)も自分にとってすごく大きな存在でした。当時からグラフィックのインパクトやタグの使用などすべてにこだわりがあって、最初から完成度の高いブランドだなと感じていましたね。
――今の若い世代が、昔のエイプを探して着ているという現象も起こっています。
HIKARU 本当にすごいなと思います。僕自身、ずっと見てきたブランドなので、今の若い子たちにも響いているっていうのがすごく嬉しいですね。今の子たちは、NIGO®のことを知らない人もいるかもしれないけど、それでもエイプをちゃんと好きになってくれているのを見ると、“本物ってこういうことか”って感じます。
――最近印象的だったエピソードなどありますか?
HIKARU 去年か一昨年に、アメリカの若いハードコアバンドの子たちが、渋谷のショップでエイプのTシャツを買って、それを着てライブをしていたんです。すごくニコニコしてて、“ああ、そういうことなんだな”って。ヒップホップじゃなくても、ちゃんと響いてるんだって思って、嬉しかったですね。当時の僕は、あえて裏原の服を着てライブハウスに行くのが好きでした。流行ってるものを裏返しに取り入れるっていうか。今の子たちが、それを自然にやっているのを見ると、時代を超えて残るものってあるんだなと思います。
この記事を書いた人
出版社でファッション誌の編集を経て、フリーエディター兼ライターに。現在は雑誌や書籍、Webなどをメインに、幅広いジャンルで記事を制作。 趣味は陶芸と金継ぎ、料理、旅。2020年に移住し、湘南暮らしを満喫中。
Instagram:@hana0910
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