「死ぬ一秒前までお笑いでいたい」75歳、テリー伊藤の“103台購入ストーリー”と人生論を聞きに横須賀のガレージへ!
目次
【BE:FIRSTの現在地】SHUNTO・RYUHEI・MANATOが見つめる“個”と“グループ”の在り方
スタイリスト服部昌孝のマシン沼。VOL.12 服部昌孝とテリー伊藤とマシン沼。
あいみょん、Awich、RADWIMPS、米津玄師などの人気アーティストや有名俳優のスタイリングを多数手がけ、ファッション業界にその名を轟(とどろ)かす男、服部昌孝。この連載企画「スタイリスト服部昌孝のマシン沼。」では、免許取得直後からどっぷりと“マシン沼”にハマってしまった彼が、乗り物に対して深い愛情を注ぐ方々に話を聞いていきます。
免許を取得してからまだ3年ほどしか経っていない彼ですが、興味があることをとことん追求したくなる性格も相まって、あっという間に所有マシンも増えに増え……(下記所有リスト参照)、もちろん現在も更新中です。沼にハマった人間の行動力がすごいのか、それともマシンが持つ魅力がすごいのか――。
第12回のゲストはテリー伊藤さん。我が道を突き進む感性ってやっぱりかっこいい。
さて、第12回のお相手となる演出家・プロデューサーのテリー伊藤さんは、むちゃくちゃな内容のTV番組を数多く手掛けてきた奇才であり、車にもファッションにもスタイルを感じる憧れの対象。今回はそんなテリー伊藤さんが横須賀に作った「BACKDROP GARAGE」にお邪魔してきました。巧みなトークで現場は大盛り上がり。というか、これで75歳って元気すぎる!!
【服部昌孝の所有マシンリスト】
自動車
・マツダ・サバンナRX-7(1983年式)
・フォード・エクスプローラー(2011年式)
・スズキ・ジムニー(2022年式)
・ルノー・ルノー4(1973年式)
・トヨタ・マークⅡワゴン(1990年式)
・ダットサン・240Z(1971年式)
・米国トヨタ・タコマ(1995年式)
・マツダ・ロードスター(2023年式)
・ボルボ・240 GL Limited(1990年式)
・ニッサン・キャラバン(2023年式)
バイク
・スズキ・GSX400インパルス タイプS(1996年式)
・スズキ・GSX750S3カタナ(1984年式)
・ハーレーダビッドソンXLCR(1977年式)
・ホンダ・スペーシー125 ストライカー(198?年式)
・ハーレーダビッドソンXL1200Sカスタム(紫電モデル)
“ガレージ”と“103台購入”のスタート
服部昌孝(以下、服部) 今日はお会いできて嬉しいです。テリーさんのインスタもYouTubeチャンネルもチェックさせてもらってます。
テリー伊藤(以下、テリー) お~!そうだったんだ。ありがとうございます。
服部 5月にガレージが完成したということですけど、ここを作ろうと思ったきっかけは?
テリー 俺くらいの歳になると、大体は終活だとか免許返納だとかシケたことばかり言うようになるんですよ。でもさ、元気なうちにやりたいことを好きにやらなくてどうするんだって思うわけ。それで、俺は車が好きだからガレージを作ろうってなったんです。ここは知り合いづてに紹介してもらって、建物の中を見た瞬間に気に入って即決でした。
服部 内装からもテリーさんっぽさを感じますね。
テリー いいでしょ?天井から万国旗なんて垂らしててさ。ちょっと間抜けな感じが好きだから、次はミラーボールでもつけようかと思ってるんですよ。
服部 そういえば、YouTubeで103台の車に乗るのが目標って言ってましたよね。なぜ100と「3」なんですか?
テリー これから100台乗るんだ!って聞くとなんか勢いがいいでしょ。「3」はね、大好きな長嶋茂雄さんの背番号から。それを合わせたってだけの単純な理由ですよ。
服部 イクラちゃん(※)の車もあるし、103台全部をここに置くのは無理ですよね?別の場所にもガレージを作るとか?
※イクラちゃん…テリー伊藤のYouTubeチャンネル「お笑いバックドロップ」に出演している人物で大の車好き。
テリー 違う違う(笑)。103台集めるんじゃないですよ!買って、乗って、売るんです。俺はコレクターじゃないから。
服部 なるほど!乗り換えるのが前提なんですね。
テリー それには理由があってさ。俺は本当にダメな人間で、以前乗ってたシトロエン・C6を4カ月で売っちゃったわけ。その前のロンドンタクシーも半年で、せっかく買ったジャガー・Eタイプも4回ぐらいしか乗らなかったし、実はバイクでもそういうことがある。自分と車の関係が成立しないことはもうわかってるのに、「この車いいな」と思うと乗りたくなっちゃう。
服部 すごいペース……!俺は免許取ってまだ3年くらいなんですけど、どの車も愛着があってなかなか手放せなくて。ただ自分もコレクターじゃないし、いまの自分の仕事や生活にマシンをうまく合わせられないかなって考えて、撮影の劇用車として貸し出したりしています。
テリー 仕事にするのもひとつの手だよね。でも車を手放すことって思い出になるから悪いことじゃないんですよ。「この車の中で失恋した」とか「これに乗ってあそこまで行った」とかさ。そういうのって憶えてるもんだから。
服部 「この車がここで故障した」って思い出ならいっぱいあります(笑)。たぶんいまは、うまく乗り換えていくこともよりいろんな車の乗り味を試したいって欲求が強いんだと思います。
テリー それはすごくいいこと。ファッションや音楽と同じで、車も若いうちにいろいろ経験しておいたほうが絶対にいいんです。感じ取れるものが違うから。
服部 俺はもうすぐ40歳になるので若くもないんですけど(笑)。
テリー なに言ってんだよ!俺なんて75歳だよ!?全然若いじゃん!
服部 たしかにそうっすね(笑)。
服部 テリーさんは何歳から車に乗ってるんですか?
テリー 18歳から。俺が高校生の頃は“軽自動車運転免許”という16歳で取れる免許があったんです。それに当時の早実(早稲田実業。テリー伊藤の母校)には自動車部があって、学祭でレーシングスーツを着て車の展示とかしてた。お坊ちゃまなやつらが多かったから、高校生なのにスポーツカーに乗ってたり、俺の友人も学生服でイギリス製の車に乗って女の子とデートしてましたよ。巨人の星に出てくる花形満みたいでしょ。
服部 すごい世界っすね(笑)。テリーさんも自動車部でしたか?
テリー 俺はアイスホッケー部。当時、東京でアイスホッケーをやるのは慶應や立教、法政とか良いところの連中しかいないわけですよ。そいつらもベレG(いすゞ・ベレット1600GT)だとかヨタ8(トヨタ・スポーツ800)でスケート場に乗りつけたり、夏休みには女の子を乗せて別荘に行ってて。こっちの親は築地でせっせと玉子焼き作ってるっていうのにふざけんなよって感じでさ。
服部 わははっ!!そうですよね(笑)。
テリー まあ、そういう特権階級みたいなものがあったわけですよ。
服部 テリーさんがテレビでめちゃくちゃなことやってた当時はどんな車に乗ってましたか?
テリー あの頃は2、3台乗ってて、1番乗りやすかったのは三菱・パジェロ。あと、忙しくて時間がなかったから、すぐ移動できるようにバイクに乗ることが多かったですね。
服部 へえ〜バイク!何を乗ってたんですか?
テリー 当時はハーレー。大型バイクの免許を取ったのが40歳を過ぎてからで、それまでは400ccが中心だったからヤマハのSRとか。
服部 そうなんですね!もうバイクには乗らないんですか?
テリー この前売っちゃったんですよ。乗りたい気持ちはあるけど、抱きもしない女性をいつまでもそばに置いてるみたいでなんだか申し訳なくてさ。
服部 相変わらずのテリー節、最高っす(笑)。
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