“無理して行く飲み会10回”より、“濃い1回”を選べ――納言・薄幸の本音がしみすぎる30代の疲れ問題

全然体力なんてありません。

明らかに疲れやすくなりました。

日々衰えを感じている。

20代半ばまでは、

2軒居酒屋に行って、そのあとカラオケ行って朝まで歌って飲んで。

それが毎日。

オズワルド伊藤らと毎日そんなことをしていた。

毎日のように。

ではない。

毎日。

本当に毎日。

2、3時間睡眠で仕事に行って、

終わったら朝まで飲んで、

また2、3時間睡眠とって、

仕事に行って……

の繰り返し。

それでも全然元気だった。

でも今はもう、無理ね。

酒うんぬんとかの話だけではなく、

仕事が10日連続入っているだけで体が重くなる。

10日連続仕事をしたあとのオフは、夕方のチャイムまで寝ている。

12時間くらい寝る日なんて、ざらにある。

子供は朝から学校に行って放課後遊んで……。

元気いっぱい活動したあとにあのチャイムで帰宅するのに、

私はあのチャイムから活動を開始する。

それでもまだ疲れている。

元気いっぱいとは程遠い状態から活動を開始するのだ。

そんな日は、一歩も外に出ない。

なんなら、誰かから飲みのお誘いが来ても断ってしまうことだってたまにある。

大好きな飲み会、大好きなお酒にも関わらず、

断って一人でいることを優先するだなんて、前まであり得なかった。

あ、もちろんそんな日も一人で晩酌はするんだけどね。

誰かと話すのも疲れてしまう程、ぐったりしてしまう日がちゃんと増えてきた。

40代の先輩芸人に話すと、ほぼ100%

「まだお前若いんだから」

そう言われる。

しかし、50代の芸人に40代の芸人が自分の衰えを話したら、

「まだお前若いんだから」

そう言われるだろう。

狂った世界だ。

じじぃが多すぎて、錯覚しているんだ。

30代でも20代のときと比べれば、

しっかり疲れやすくなるのは当たり前。

その証拠に、今オズワルド伊藤と飲んでても、

朝まで飲むなんてことは滅多になくなった。

でも私は、そのせいで交友関係が薄れたと思ったことはない。

“こいつ早く帰るな”

“こいつ断ってきやがった”

そんなんで疎遠になるような薄情な人間とは、

もともともっと若いときに知り合っていたとて、

仲良くなっていなかったと思う。

芸人も人間だから、年と共に疲れやすくなるさ。

ちょっとだけ他の職種の方たちと違うのは、

やっぱり楽しいこと、おもろいことが人一倍好きだから、

ご機嫌メンバーと飲みに行きたい欲は強い人は多いかも。

それでも、芸人だって衰える。

しっかり油っこい物が入らなくなる。

低い段差でつまずくようになる。

『はじめてのおつかい』で泣くようになる。

みんな一緒。

無理した10回の飲み会より、

濃くて楽しい1回の飲み会のほうが、よっぽど交友関係は深まる気がするかな。